BS日テレで『ドランク塚地のふらっと立ち食い蕎麦』が放送中だ。主に都内の立ち食い蕎麦店を取り上げて、たまに隣県に出向いたり地方に赴いたりもする。天ぷらを食べ、蕎麦を啜る音と映像は、僕にとってはいつでも悩ましい。


 先日、過去の放送が再放送された。季節放送からレギュラー放送に変わって1回目の回だった。東京・入谷の山田製麺所は親子3代に渡って営まれて来た老舗の蕎麦屋だ。

 取材時にカウンターで食べていたお客さんに声をかけたところ、何と何年も前から週5で通う常連さんだった。あまりの美味しさに、たまに家族を連れてみんなで食べにも来るのだそうだ。他にも常連のお客さんが食べに来ていて、3代目は、まさに常連さんに支えられて続けられていると答えていた。


 現代のビジネスは様々な側面での強みが必要と言われる。企画力、ブランド力、商品開発力、展開力、それらをカバーする人間力と代謝力。


 しかし、『食べる』というカテゴリーで大切なことは『美味しいこと』と『居心地がいいこと』であろう。このふたつを誤魔化さず愚直に続けることこそが立ち食い蕎麦店の長続きの秘訣の様な気がする。


 お蕎麦が食べたくなって来た。