フォローしている方の投稿で、今日が『世界知的所有権の日』だと知った。1970年の条約発効を記念してのことなのだそうだ。
知的財産の侵害でまず浮かぶのは中国だ。昨年だと記憶しているが、中国政府は国内でのブランド製品の模倣品や擬似商標表示の規制を一層強化すると発表した。4、5年前に策定したガイドラインの実効性を高める為の措置だが、全世界に向けて声高に発信したのはいいが、実効性は疑わしい。
中国の模倣品問題はもう30年も前からの事で、対策を講じない中国政府の本音は、そんな小さな事でガタガタ騒ぐなという程度だろうと感じていた。
僕が20年ほど前に中国の万里の長城を訪れた時、売り子が近づいて来てブランド品だと言って時計を見せて来た。偽物でしょうと話すと、税関では分からないから大丈夫だと言う。この会話の中に潜む知的財産権に対する意識の低さに驚いてしまった。
つい先頃、韓国で産地偽装が幾つか明らかになった。トランプ関税騒動をきっかけに輸出品を精査した時に出て来たものの様だ。輸入した製品を自国製と偽ったり、原材料を自国製と偽ったりしたものだ。
実は日本でも、2ヶ月ほど前にふるさと納税返礼品の産地が自県のものでは無く不適切だと、ある県が指摘を受けた。何と、原材料も加工も県外だというのだ。自治体と仕入れ業者に悪意はなく、仕入業者に産地を限定する事をきちんと伝えるのを怠ったためだと言われている。
知的財産権の侵害と産地偽装はその形態こそ違えど、本質は同じだ。
他国に強く物申す為にも、日本国内での過ちを無くすとともに、抑止意識の共有を徹底しなければならないと思う。