NHKで『しあわせは食べて寝て待て』というドラマが放送中だ。主人公の女性が体調を崩し、一生付き合っていかなければならない病気と診断される。その後、会社を辞めざるを得なくなり、上司の紹介で小さな小さなデザイン会社に務め、時短勤務をしている。
このドラマの中に、ゆったりとした時間が流れている。近所付き合い、食べ物、職場での遣り取り。主人公を演じる桜井ユキさんのカットも寄りの表情が多く、台詞は少なめ。観ていると、心が落ち着いていく。
様々なストレスに晒される現代社会。都会で勤めようとすれば故郷を離れて一人暮らしを余儀なくされる。当然、都会の暮らしへの憧れも仕事や将来への意気込みもあってのことなのだが、全てが順調に進むとは限らない。
上司や同僚との人間関係、仕事の重圧、時間に追われる生活などなど、ストレスの種は無限にある。そんな社会を万全な精神状態で泳ぎ切ることは中々に難しいとも言える。
僕は退職した当初、時間を持て余した。ついつい何かをしていなければ怠慢に暮らしているように思えて、何処かに出かけるか何かをしていないと落ち着かない感覚だった。今考えると、仕事の習慣というのはそこまで体に染み付いていたということだろう。
今は新しい生活のリズムが出来上がっている。朝は6時に起きる。そして朝食を準備して7時に食べる。お昼は12時に食べる。時間が自由だからと言っても一定のリズムを刻んで生活は積み重なってゆく。
誰しもが心と体に馴染む生活のリズムがあるのだろうと思う。ブランチと夕食でちょうどいい人。朝は必ず散歩をする、もしくは少しきつめのウォーキングをする人。毎日プールに行って泳ぐという人もいるかも知れない。
そんな一人ひとりのリズムが満開の桜の木を彩る花の数ほどあるだろう。僕自身、無理をせず、楽しく、にこにこしながら暮らしていければと思う。
進行形で働いている人も、極端な無理を積み重ねないで欲しいと思う。