急いでいる時や時間がない時、それに材料が乏しくて作れる料理が思い浮かばない時、あとはどうにも面倒くさい時、インスタントラーメンを食べる。最近だと、辛いものが増えてきた印象だが、昔ながらのラインナップも健在だ。色々なものが値上がりしている中で、ラーメンの主原料である小麦粉も高騰している。当然影響を受けて、価格は値上がりをし続けている感がある。しかし、卵の時もそう思ったが、やはり安値の優等生であることには変わりはないと思う。今も昔も庶民の味方である。


 僕が初めて食べたのは、日清食品の『チキンラーメン』だ。記憶では3〜4歳の頃の様に感じている。調べてみたところ、1958年発売だったそうだ。数年経って『初めて』の記憶があることになる。卵は落とさず、そのまま温めて食べていた。

 今でもそうだが、チキンラーメンはそのままポリポリと食べたりもしていた。親からはちゃんとふやかさないとお腹を壊すと言われた。同時期に『日水ラーメン』と『明星ラーメン』も記憶にある。明星ラーメンはスープが別になっているタイプだったが、チキンラーメンの様にポリポリと食べたくて、スープを袋にあけてシャカシャカして食べたが、同じ美味しさにはならなかったのを覚えている。

 次の世代として覚えているのが『チャルメラ』。テレビコマーシャルで🎵ヒャ〜ララ〜ララ🎵とラッパ(チャルメラ)を吹く屋台のおじさんがユニークだった。味はそれまでに経験したことのないスパイシーさで、独特だった。

 その他、日清焼きそば、マルちゃん味噌ラーメンと時代は移ってゆく。

 高級ラーメンとして売り出されたものもあった。『マダムヤン』というラーメンで、300円くらいしたはずだ。その価格では既にインスタントラーメンの域ではなく、我が家でも買うことはなかった。しかし、コマーシャルだけは強烈に覚えている。赤いチャイナドレス(確か)に身を包み、丼を手にこちらに歩いてくるのだ。『🎵マダムヤ〜ン🎵』というフレーズと共に。

 今もインスタントラーメン業界は一定のリズムで新商品を開発して世に送り出している。カップ麺も然りである。


 しかし、時として猛烈に食べたくなる味がある。それが『チキンラーメン』であり、『チャルメラ』であり、『日清焼きそば』である。


 味と共に思い出が蘇る。