中学生から高校生と、とにかく遊んだ。あちこちに自転車で行き、時には電車に乗り、気の合う友達と沢山の時を一緒に過ごした。

 海遊びでは海水浴場はもちろんのこと、浅虫海岸の岩場でも泳ぎながら貝を採ったり、ヤスで魚を突いたりして、その場で火を起こして食べた。家から持っていくのはおにぎりだけ。おかずは海から調達できるのだから。

 山にも行った。ヘロヘロになりながら自転車を漕ぎ、栗の木のある秘密の場所に行き、沢山の栗を拾った。ある時などは畑のスイカに目がくらみ、あろうことか身を屈めながらこっそりとその場で割って食べていた。そうしたら遠くから「こらーっ!」と怒鳴られ、追いかけられた。何とか逃げおおせたが、冷や汗ものだった。ひどい事をしたものだ。

 冬はスキーで、朝一番のバスでスキー場に向かい、まだリフトも動いていないゲレンデをスキー板を真横にして地道に登る。で、新雪を滑る。リフトが動くまでに2回は滑ることができた。当然、バックカントリースキーもした。小さなスキー場なので危険はなかったが、コース外での事故、遭難が相次いでいる今、絶対にお勧めできない。


 二十歳を過ぎた頃、全国に散っていた友達と夏休みにいつもの様に集まって酒を飲んだ。その時1人の友達に言われた。「隆男がいつも決めてしまうから自分のやりたい事が出来なかった」と。僕はキョトンとした。楽しかったけれど、たまには自分が決めたかったというニュアンスではなかった。僕の思い込みなのかも知れないが、総じて楽しめなかったと言われた様に感じた。

 その後、何となくみんなを誘いづらくなった。誘われて会うことはあったが、僕から誘うことはほぼ無くなった。


 みんなでワイワイはしゃぐのがとにかく楽しくて、色々な事を計画して、誘って、行動に移して。誘う事自体が悪かったのか。それとも誘い方が強制的だったのか。

 それとも。。


 その友達は45歳位で、癌で他界した。


 未だ正解が分からないまま、言われた時の事を思い出す。