小学一、二年生の頃から釣りをしていた気がする。その頃は、すぐ飽きて、岩場であればカニを追いかけ、砂場であれば砂虫を追いかけて。三、四年になると、友達もただの遊びではない雰囲気を醸し出し、どうやって釣り上げるかをみんなで作戦を練り上げた。ハリスは9号、おおもりは鉛2個とか、がやがやと。そうやって、次第次第に釣りの面白さに触れてゆく。
高学年になると、友達の一部にはまるで家族の中の食材調達を担っているかのような本気さが感じられた。わが家では母が料理を苦手としていたので、魚はもっての外だった。魚といえば切り身か一夜干し、もしくは綺麗な半身を魚屋から買って来ていた。僕が25cm位のアイナメを釣って喜び勇んで帰った時も、母は、どうやって食べたらいいのと怖がっていた。
大学生の頃からは、バイクや車のおかげで自分で好きなところに釣りに行けるようになった。津軽半島の先端に当たる三厩(みんまや)崎に西海岸の十三湖(じゅうさんこ)、岩木川の上流などなど。狙う魚も違えば仕掛けも違う。釣り方も投げ釣りから垂らし釣り、浮き釣りまで様々だ。
三厩ではベラやアイナメ、十三湖ではシマダイにカレイ、キス。そして川魚ではイワナなど。釣った魚はその場で焼いて食べることもあれば、大型であれば家に帰って煮たり刺身にしたり。
今では釣り道具も処分してしまった。竿とリールも3組あり、50メートル先で着水する位の竿もあった、残念だが、新たに始めることはないだろうと思う。