(出典:NHK)
ペルーとブラジルを流域とするアマゾン川は、世界最大の流域面積を誇る大河である。その支流は主だったものだけでも数十本に登る。南米大陸は、西側に南北に長く連なるアンデス山脈を有し、大陸規模で見た時の分水嶺となる。したがって、アマゾン川の各支流は、概ね西から東に流れながら本流に合流すると考えて良い。
この、大陸規模での『平べったさ』が、支流を含めて広く緩やかに流れるアマゾン川流域を形成し、温暖で生物多様性の宝庫となり、人々が生き続けられる原生林が存在する。
しかし、開発の波はその原生林にも及ぶ。1970年代、プラジル国内の原生林にも数本の縦貫道、横断道が交差、延伸する。そして、1980年頃からは奥地での鉱山開発も進む。こうしたイゾラドの居住域に入り込んでの開発は、彼らをより奥地に追いやり、生活環境をも変えた事だろう。そのために、時としてこちら側との接触を余儀なくされているのではないかと推察する。
先編(1)でのイゾラドの人々との遣り取りでは、少ないものの言葉の共通性があり、交流もできた感覚がもたらされたと言う。例えば『パランタ』はバナナ、『ポチャセレ』はサトウキビなどなど。
イゾラドの人々は会話の中で、『服を着た人々』は『悪い人々』と話していたと言う。保護区の監視委員は、おそらくは木材の不正伐採による密売業者であろうと。政府は取締りをしているものの、撲滅には至っていないとも。彼ら密売業者が原住民に対して銃などで命を奪う暴力を振るっているのは容易に想像できる。
(次編につづく)