沖縄へは二度訪れた。いずれも社員旅行だったが、もう一度機会があればまた訪れたいと思っていたが、コロナ禍でその機会を得ぬまま退職した。
行き先は、3〜4カ所から自由に選ぶ。時折海外も企画されるが、旅費の自己負担分を考えて僕は国内を選んだ。
一度目は本島。恩納村のホテルに二泊。
スキューバダイビングをし、美ら海水族館、パイナップル園などを巡った。沖縄そばも初めて食べ、たちまち大好きになった。夜はホテルのバーで酔い、近くの居酒屋も楽しんだ。
特にスキューバダイビングは面白かった。以前から挑戦してみたいと思っていたので尚更だ。青の洞窟まで100mほどの海上に停泊し、そこから潜って洞窟を目指す。シュノーケリングを楽しむ人達の下を進んだ。ゆらゆらと青く煌めく海面が忘れられない。
恩納村を後にして那覇で一泊。その日は国際通りを満喫した後、沖縄民謡のライブが楽しめる居酒屋へ。地元の女性歌手cojacoさんの歌を楽しんだ。
最終日はタクシーをチャーターした。そして、沖縄に行ったら訪れなければならないと思っていた所を巡った。海のレジャーと華やかな彩りだけが沖縄ではないと思う。
まずは首里城。守礼門から正殿へと進み、火災に見舞われる前の美しい姿を見ることができた。明治政府軍の侵攻で琉球王国の最後の王がここから追放されたことが悲しい。
祈りの聖地である斎場御嶽(せーふぁうたき)。整備された参道と社がある神社式とは異なる自然の息吹き。
ひめゆり平和祈念資料館。逃げ惑う子供たちの呻きと悲しみは想像を絶し、涙が溢れた。
平和記念公園と平和の礎(いしじ)。資料館では、当時の出来事全てがあまりに悔しくて、最後まで見ることができなかった。
平和の礎。その数に、犠牲になった方々の多さを実感した。海を臨む穏やかな丘で、礎は光と風を受けて物言わず立ち続ける。
僕は石碑たちのまん中でビデオカメラを構え、丘の向こうまでゆっくりとズームして真っ青な風景を映像に収めた。