〔107時間目〕商品を仕入れること | 一生続く勉強マガジン:投資塾たぐ丸

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塾長だすっ。おはようございまーす。
寒いっすねー。今日は夕方雪降るらしいぜ。
じゃ、今日も簿記の基礎シリーズ行きまっせ。


▼商品を仕入れる


▽商品を仕入れてもすぐに費用になるわけではない(費用収益対応の原則)


商品を仕入れて現金を支払ったとしても会計上はすぐに費用になるわけではない。
費用収益対応の原則より、費用は売上に犠牲になるものとして、収益獲得に貢献した部分だけを費用とするんだ。つまり売上が上がったときに上がった分の費用だけ計上するんだ。

売上が上がるまでは、仕入れたものは在庫となり、棚卸資産としてB/Sの資産に計上されることになります。

この在庫ってのは資産ではあるが、そんなにありがたいものなのだろうか。
ありったけのお金、例えば全財産100万円を使って商品を仕入れたとしたら、棚卸資産として100万円計上されることになるが、お金は100万出て行って、売上が上がるまではキャッシュ(現金)は入って来ないわな。
つまり、在庫(を多く持つこと)はキャッシュフロー(現金の収入と支出の流れ)を悪化させるってことなんだ。

だから世の中の会社は、在庫を如何に少なくしていくかと言うことで、工夫を凝らしているんだよ。
(かんばん式とかサプライチェーンマネジメントとか聞いた事ない?)


▽棚卸資産、売上原価のさまざまな計算方法


さてここからは、溜まった在庫と売りあがった費用の計算の仕方なんだが、
全く同じ物同じ値段の物を複数仕入れて、それが売れて行く場合なら...在庫に残った金額も、売り上げた時の費用も計算は簡単だわな。
でも、仕入れる時の値段ってのは日々変わる可能性があるわな。(特に海外から輸入する場合は、為替レートは日々変動するからな)
だから単純に仕入れた時の値段が幾ら、売り上げた時の費用は幾らって決めれないんだ。
よってこの在庫(棚卸資産)と、売り上げた時の費用(これを”売上原価”と言います)の計算の仕方が色々あるんです。

3つ紹介するっすよ。


先入先出法(first in first out:FIFO)
時間的に先に(古くに)しいれたものから出荷されるという仮定の下に計算する方法。
この方法だと、売上原価は古い仕入原価で計算され、棚卸資産は新しい仕入原価で計算される。


後入先出法(last in first out:LIFO)
時間的に後に(新しく)仕入れたものから出荷されるという仮定の下で計算する方法。
この方法だと、売上原価は新しい仕入原価で計算され、棚卸資産は古い仕入原価で計算される。


平均法(average method)
仕入原価の一定期間の平均原価を計算し、その平均原価で売上原価と棚卸資産を計算する。
平均原価の計算は、仕入や出荷等により在庫に変動があった都度平均原価を計算し直す移動平均法と、期末に一括して平均原価を計算する総平均法がある。総平均法の場合、売上原価と棚卸資産の計算単価は等しくなる。


例を上げて、実際にそれぞれの方法で計算してみよか。

期首(会計期間の最初の時期)の在庫がゼロだとして、以下のように仕入れたとする。


仕入日    数量 仕入単価    仕入額
----------------------
4月1日  100個  @100   10000円
5月1日  100個  @110   11000円
6月1日  100個  @120   12000円
----------------------
合計    300個    -    33000円 


これが7月1日に、1個150円として200個売れたとする。(売上高30000円)


じゃ、それぞれの方法で、売上原価、期末棚卸資産及び粗利(=売上高-売上原価)を計算してみよう。


【先入先出法】
先に仕入れたの(4/1の@100の100個と5/1の@110の100個の合計200個)が売れた、残ったのはそれ以降(6/1の@120)に仕入れたものが在庫となるから。
期末棚卸資産:
@120*100=12000円
売上原価:
@100*100+@110*100=21000円
粗利:
30000-21000=9000円
となる。


【後入先出法】
後に仕入れたの(5/1の@110の100個と6/1の@120の100個の合計200個)が売れた、残ったのはそれ以前(4/1の@100)に仕入れたものが在庫となるから。
期末棚卸資産:
@100*100=10000円
売上原価:
@120*100+@110*100=23000円
粗利:
30000-23000=7000円
となる。


【総平均法】
総平均法ではまず、いったい平均幾らで仕入れたことになるかという、平均仕入単価を計算する。
平均仕入単価は、33000円/300個=110円となるから、
これを使って、在庫も売上原価も計算すりゃいいんだ。
期末棚卸資産:
@110*100=11000円
売上原価:
@110*200=22000円
粗利:
30000-22000=8000円
となるわけだ。


それぞれ採用する方法によって、在庫金額や、売上原価、粗利が変わってくるのだ。

でも、どの方法を採用しても適正な会計処理なんだよ。
ただ、継続性の原則としてちゃんと採用した方法を継続していかないといかんのだ。


今日は長なったね。ほんじゃねー。