倉知 淳著「星降り山荘の殺人」読了 | たごさくの本格ミステリー倶楽部&山野草

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            (横浜・馬車道)

長い間読もうと思っていて読まなかった倉知淳さんの「星降り山荘の殺人」読了しました。

新装版で544Pの作品。

結構長かったです。

本当は1月中に読んでしまう心算がインフルで伸びてしまいました。

『雪に閉ざされた山荘に、UFO研究家、スターウォッチャー、

売れっ子女性作家、癖の強い面々が集められた。

交通が遮断され電気も電話も通じなくなった隔絶した世界で突如発生する

連続密室殺人事件!華麗な推理が繰り出され解決かと思った矢先に大どんでん返しが!?

見事に騙される快感に身悶えする名作ミステリー。』

 

本レビューの評判が良かったため、

凄い期待を持って読みました。

あまり面白く無かったですね。

ワクワクのクローズドサークルになってしまうのですが・・・ワクワクしなかった。

その理由のひとつに、

150Pくらいまでは全く面白くなかった。

最初の掴みは無くその上ワクワク感も無く退屈でした。

150Pを使ってのシチュエーションの説明は最低限にとどめておいて欲しいと思いました。

150Pは助長しすぎの感がありました。

 

島田御大は最初に幻想的な謎が必要で、

それを論理的に解決していく。

それが最重要だといわれています。

 

そしてぼくの嫌いな、

1、探偵が殺害される。

1、ヒロインが殺害される。

1、探偵が犯人。

1、ヒロインが犯人。

  のパターンでした。

 

この作品はネタばれをしないと読後感想が成り立たないです。


ので、

以下ネタばれを書きます。

読む予定の方は読まないでください。例

によって白文字で書きます。

 

白抜きはスマホでは読めないと云う事で色を付けました。

ので、ネタバレです。

ご注意をw。

 

スターウオッチャー星園が主人公と思いきや犯人だったと云う大ドンデン返し。

読んでいて探偵役をするのだと思っていても何らキャラに魅力が無い。

例えば主人公たる探偵が出てくるとワクワクして場面自体がとてつもなく魅力的になる。

御手洗潔や京極堂や榎さん等の有名どころが登場すると、

とてつもなくその画面に惹きつけられてしまう。

それがキャラがたっていると云うのでしょうか。

その点スターウオッチャー星園が登場してきても圧倒する存在感は無く、

不信感を抱きつつ星園が犯人を指名する場面を読んだ。

しかし、

途中からは作家の秘書の早沢麻子が探偵でヒロインで主人公だと判る謎解きを披露。

スターウオッチャー星園は退場となる。

 

早沢麻子はそれまで鋭い発言をしていたが最後は一人舞台の探偵となった。

この早沢麻子のキラキラした姿が無ければこのミステリーはダメでした。

この方に救われたのはもう一人の主人公のワトソン役の杉下和夫です。

 

そして作者は章の代わりにこの様なコメントが書かれている。

『和夫は早速新しい仕事に出かける

そこで本編の探偵役が登場する

探偵が事件に介入するのは無論偶然であり

事件の犯人ではあり得ない』

この最初に出てくる文で読者はミスリードされてします。

変形の叙述トリックでしょうか?

これは上手いやり方だと思います。

そして、

ぼくに一番知りたい動機ですが薄いです。

この様なことで殺人を犯すか?

と思いました。

 

たごさくの勝手な感想でした。

ぼくの嗜好ではありませんので評価は普通です。

 

*追記

 白抜き文字はPCでしか見られないのでしょうか?

 ぼくはブログを見に行くのを含めてPCでやっておりますのでそこのところは分かりません。