「トウモロコシは中央アメリカ原産でイネ科トウモロコシ属の植物である。」
「紀元前2000年より以前から栽培されており、古い時代から南北アメリカ大陸の主要農産物として唯一の主穀になり得る穀物だった。」
「南アメリカのアンデス山脈の地域ではジャガイモを中心にした芋類が主食だったが、祭祀や饗宴儀礼に用いられるチチャという酒の原材料だった。」
「ヨーロッパには1492年にクリストファー・コロンブスがキューバで発見して持ち帰り、やがて世界各地に伝播して瞬く間に栽培されるようになった。」
トウモロコシの種類
「スイート種 (甘味種) は食用と加工用の品種で、種子に糖分が多くて甘味が強いが、収穫後の変質や呼吸による消耗が激しい。」
「フリント種 (硬粒種) は食用と加工用と工業用の品種で、ポップ種 (爆裂種) は実を加熱して爆裂させてポップコーンを作ることに利用されている。」
「ワキシー種 (糯種) はモチトウモロコシとも呼ばれて加熱するとモチモチした食感になり、ソフト種 (軟粒種) は実が軟質デンプンで形成されている。」
「デント種 (馬歯種) はコーンスターチの原材料とエタノールの生産と家畜用飼料で、その他に近年は遺伝子組み換え作物のGMコーンも作られている。」
江戸時代のトウモロコシ
「その後18世紀には北海道のアイヌ民族も栽培するほど普及したが、主に稲作に適していない地域で雑穀として粥や餅に混ぜて食べることが多かった。」
「明治時代になるとアメリカから早生のデント種 (馬歯種) とフリント種 (硬粒種) が導入され、北海道の開拓民が大規模に栽培するようになった。」
「1914年 (大正3年) にはスイート種 (甘味種) のゴールデンバンダムが北海道で優良品種に登録され、1929年 (昭和4年) には缶詰の製造を開始した。」
「第二次世界大戦後の1953年 (昭和28年) にはアメリカから新しいスイート種 (甘味種) が導入され、青果用の未熟トウモロコシの栽培が急増した。」
「糖度は約20度を安定して狙え、食味が極めて良く、皮付総重は約500gの異常を狙えるジャンボサイズだ。」
「粒皮は鮮やかな黄色で柔らかくてしなびにくく、粒列は約18列で先端不稔は非常に少ない。」
「種まき後は約88日で収穫の中晩生で、草丈は約190cmになるのでトンネルや露地栽培が最適で、根張りが良くて倒伏にも比較的強い。」
「病害虫抵抗性は特にないので、栽培期間中に農薬を散布して防除する必要がある。」
「粒皮は柔らかく、色はクリーム色系の白色ではなく美しい真っ白な純白で、甘味が極めて強くて、果汁はミルクのように白色でまろやかな風味だ。」
「穂形は円筒形でボリュームがあり、皮付穂重は約430gだ。」
「成熟日数は約84~85日の中早生で、葉色は濃い目、草丈は約170cm、軸は太めでガッチリしていて倒伏しにくい。」
「病害虫抵抗性は特にないので、栽培期間中に農薬を散布して防除する必要がある。」
田吾作「これは大和農園の大和ルージュというスイート種のトウモロコシである。」
「日本初の赤色のスイートコーンで、やや糯感があって食味の良い甘味種だ。」
「糖度は約16度、穂重は約300g、色は濃赤紫色で穂先の締まりが良い。」
「熟期は約100日の晩生種で、草勢は強く、草丈は3mを超える。」
「病害虫抵抗性は特にないので、栽培期間中に農薬を散布して防除する必要がある。」
「世界三大穀物の中で生産量が最も多いことを考えれば、トウモロコシが世界中の食文化に大きな影響を与えているのが分かるはずだ。」
「なおポップコーンは近代に生まれたイメージがあるかもしれないが、紀元前3600年頃の遺跡に調理の痕跡が残っていたことが判明している。」
「このことからポップコーンは伝統料理であり、先住民はポップ種 (爆裂種) を焚き火の中に投げ込んで飛び出したものを食べていたと思われる。」
「皆さんも家庭菜園でトウモロコシを栽培しては如何だろうか?」