「一般的にジャガイモの栽培では食用ではなく専用の種芋が使われるが、この背景には歴史的に多くの犠牲者を生んだ疫病の流行があった。」
「ジャガイモは15種類の品種を栽培している。」
「品種名はプチじゃが、下栗芋、男爵薯、メークイン、キタアカリ、ベニアカリ、トヨシロ、十勝こがね、北海こがね、インカのめざめ、インカのひとみ、インカルージュ、グラウンドペチカ、ノーザンルビー、シャドークイーンである。」
シャドークイーン
ジャガイモの種芋の検疫について
「これはジャガイモが病気になりやすくて細菌やウイルスや病害虫などに弱く、発症後の薬剤による防除が難しいことが理由だ。」
「そのためジャガイモは国による唯一の指定種苗にされており、農林水産省は植物防疫法に基づいて植物防疫官の厳格な検査を義務付けている。」
「種芋の検疫を合格するには、芋の内外が無病で、品種特有の性質を備えており、発芽する力が強く、大きさが規格を満たしている必要がある。」
「この種芋は専用の畑で栽培されており、植え付け前と植え付け後と掘り取り後の3段階で検査され、合格したものだけに合格証票が添付される。」
「種芋を休眠打破するには光と温度が必要だが、春作と秋作では栽培環境が違うため、それぞれに適した芽出しの方法がある。」
「春作の場合は植え付けの2~4週間前に、約10~20度くらいの光が当たる場所に種芋を置き、数日ごとにひっくり返して全体を芽出しする。」
「秋作の場合は植え付けの2~3週間前に、直射日光が当たらない涼しい場所に種芋を置き、数日ごとにひっくり返して全体を芽出しする。」
「またジャガイモは品種によって休眠期間が違っており、長い品種は春作に適していて、短い品種は秋作に適している。」
ジャガイモの種芋の切り方
「種芋にはたくさん芽が付いているが、発芽力が強くて収穫量が多いのは頂芽に近い部分で、切り方によっては生育が不揃いになることがある。」
「またジャガイモは芋が大きくなりやすい個重型品種と、芋が多くなりやすい個数型品種があり、それぞれ切り方を変えると発芽に効果的だ。」
「特殊な切り方としては種芋を完全に切り分けず、少しだけ残しておいて切り口を閉じておき、植え付け前に切ることで萌芽が良くなる。」
「切り口は腐敗防止のために草木灰を塗って乾燥させるが、秋作の場合は高温で種芋が腐りやすいため切らずに植え付ける。」
田吾作「以上が田吾作ファームで栽培中のジャガイモの種芋作り ①だ。」
「ジャガイモは過去に世界各地で何度も大規模な疫病が発生したため、検疫を合格した種芋を植え付けるという栽培方法が確立された。」
「疫病が発生すると瞬く間に被害が広がり、雨や風などで1週間に約10kmのスピードで疫病菌が拡散し、広範囲で深刻な生育不良をもたらす。」
「家庭菜園であっても食用を種芋にするのは非推奨であり、近隣の畑に迷惑をかけないためにも必ず専用の種芋を使用してほしい。」
「明日の記事ではジャガイモの種芋作り ②を紹介する。」