田吾作「今回は田吾作ファームで栽培中の菊芋の品種を紹介する。」
「菊芋は北アメリカ原産でキク科ヒマワリ属の植物である。」
「名称は夏から秋にかけて菊のような花を咲かせることに由来しており、日本には家畜の飼料として導入されたことから豚芋とも呼ばれている。」
「野生種はカナダ東部とアメリカ北東部に自生していて、クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸を発見する前から先住民は栽培していた。」
「ヨーロッパには17世紀初めに伝わり、ジャガイモの栽培に適していない乾燥地や痩せ地で栽培できることから短期間で一般的な芋になった。」
戦時中のポスター
田吾作「菊芋は日本には江戸時代後期に伝来したと言われており、1850~1860年頃には本格的に導入されて飼料用作物として栽培されるようになった。」
「そして大東亜戦争が勃発すると非常食として栽培されたが、デンプン質が少なくて満腹感がなかったためジャガイモやサツマイモの方が普及した。」
「戦後に食料事情が改善してジャガイモやサツマイモが当たり前のように入手できるようになると、保存性と味で劣る菊芋は見向きもされなくなった。」
「また菊芋は繁殖力が非常に強いため、戦時中に栽培されていたものが日本各地で野生化して環境省から要注意外来生物に指定されるに至った。」
「こうして長らく人々から忘れられた菊芋は家畜の飼料として扱われていたが、飽食の時代に栄養価が再評価されて注目を浴びることになる。」
「イヌリンはキク科に特有の貯蔵多糖類で、天然のインシュリンとしても知られており、血糖値の上昇を抑えて糖尿病の予防にも効果がある。」
「生鮮の菊芋には約15~19%のイヌリンが含まれていて、含有量は晩秋の頃が最も多く、腸内環境を整えて消化吸収を良くする。」
「またイヌリンはカルシウムやマグネシウムの吸収を促進して、腸内ではバクテリアの活動を増進させると考えられている。」
「その他にイヌリンはゴボウやリーキやタマネギやヤーコンなどに多く含まれており、何世紀にも渡って健康的な野菜として食べられてきた。」
「塊茎の長さは約7~10cm、直径は約3~6cm、表皮は白色、果肉は白色だ。」
「草丈は約1~3m、秋に直径が約4~10cmのヒマワリのような花を咲かせる。」
「カナダ東部とアメリカ北東部に自生している野生種で先住民が食べてきたものと同じだ。」
「病害虫抵抗性は特にないので、栽培期間中に農薬を散布して防除する必要がある。」
「塊茎の長さは約7~10cm、直径は約3~6cm、表皮は紫色、果肉は白色だ。」
「草丈は約1~3m、秋に直径が約4~10cmのヒマワリのような花を咲かせる。」
「フランスで野生種を品種改良したもので、白色の品種よりイヌリンやポリフェノールなどが多く含まれている。」
「病害虫抵抗性は特にないので、栽培期間中に農薬を散布して防除する必要がある。」
「そのため菊芋は日本でも農家が栽培するようになって地域おこしの野菜として特産化が進んでおり、家庭菜園でも栽培されることが増えてきた。」
「食感はシャキシャキしていて、加熱するとトロッとなり、天ぷらにするとボリューム感が出るので食べ方によって魅力が変わる芋だと言える。」
「ただ菊芋は保存性が悪くて数日で傷んでしまうためスーパーなどに出回ることは少なく、主にメルカリなどのフリマサイトで流通している。」
「皆さんも家庭菜園で菊芋を栽培しては如何だろうか?」