「ニンニクは中央アジア原産でヒガンバナ科ネギ属の植物である。」
「鱗茎 (球根) の部分は強烈な香りと風味を持ち、茎もニンニクの芽として食べられることから、肉食の食文化がある地域で香辛料として使われてきた。」
「名称は困難を耐え忍ぶという意味の仏教用語『忍辱 (にんにく)』が由来で、野草の野蒜と区別するために大蒜 (おおひる) とも呼ばれている。」
「日本では香りの強さから長らく食べ物として扱われなかったが、戦後に食文化の多様化に伴って食べるようになった。」
田吾作「近年ブームになっている黒にんにくという黒色のニンニクがあるが、これは品種の特徴ではなく加工食品である。」
「白色のニンニクを高温と高湿という一定の環境に約3~4週間ほど置くと、チョコレートと同様にメイラード反応によって熟成が進んで黒色になる。」
「黒にんにくは糖度が高くて甘酸っぱくドライフルーツのような食感で、ニンニク特有の香りと味とは全く違っている。」
「また黒にんにくは動物実験によって、癌やウイルスに感染した細胞を見つけて戦うナチュラルキラー細胞の活性化が証明されている。」
「生のニンニクを食べたときのような胃への刺激が少ないため、栄養豊富な健康食品として広い世代で食べることができる。」
田吾作「一般的に『にんにく注射』と呼ばれる即効性の元気になる注射がある。」
「これは以前にアリナミン注射と呼ばれていたものと同じで、注射をしているときにニンニクの香りがすることから通称として呼ばれるようになった。」
「主成分は疲労物質の乳酸を燃やしてエネルギーに変えてくれるビタミンB1で、ニンニクのエキスそのものではないので体臭が酷くなることはない。」
「またビタミンB1はエネルギー代謝に深く関与しており、疲労回復や肩こりや二日酔いなどを改善し、美容やダイエットにも効果があるとされている。」
「健康保険の対象にはなっていないが、料金は約1000~3000円くらいなので、疲労困憊のときは気軽に注射してもらうのがいいだろう。」
「一般的なニンニクがいくつかに分球しているのに対して、プチにんにくは一片の塊になっているので薄皮を剥きやすく使い勝手が良い。」
「日本のニンニクと比較してマイルドな香りと風味を持っており、加熱するとホクホクした食感と甘味のある濃厚な味わいが楽しめる。」
「ただ中国でも雲南省の標高2000m以上の冷涼地でしか育たないため、日本国内ではほとんど栽培されておらず中国産が流通していることが多い。」
「病害虫抵抗性は特にないので、栽培期間中に農薬を散布して防除する必要がある。」
「ルーツは青森県旧福地村で栽培されていた苫米地にんにくで、従来の福地ホワイト六片より表皮が白色で美しく肥大性が良くて病気にも強い。」
「従来の品種と比較してニンニクの主成分であるアリシンが多く含まれており、非常に濃厚な香りと風味がある。」
「耐寒性が強いので冷涼地での栽培に適しており、植え付け時期を遅らせれば温暖地でも栽培することができる。」
「病害虫抵抗性は特にないので、栽培期間中に農薬を散布して防除する必要がある。」
田吾作「モラードはスペイン原産のニンニクである。」
「表皮は赤紫色で鱗茎は白色、スペインでは最高級のニンニクとして扱われ、アホ・モラードとも呼ばれている。」
「一般的なニンニクと比べて水分含有量が少なく、栄養素がギュッと凝縮されており、アリシンが多く含まれているので香りが強くて深い風味がある。」
「加熱するとマイルドな甘味のある風味が出て、臭みとえぐみが少ないため、ハーブのような感覚で様々な料理に使用することができる。」
「病害虫抵抗性は特にないので、栽培期間中に農薬を散布して防除する必要がある。」
「仏教の僧侶の間では行者にんにくと同様に食べることが禁止されており、近代になって栄養価の研究が進んでも食後の口臭や体臭が忌避され続けた。」
「日本統治時代があったにも関わらず、戦前の日本で朝鮮のキムチが好まれなかったのは、唐辛子の辛味とニンニクの香りが強すぎたのが原因だった。」
「そのことを考えると日本人の食文化が戦前と戦後で全く違っており、外国から様々な野菜と料理が入ってきて多様化したのが分かるはずだ。」
「皆さんも家庭菜園でニンニクを栽培しては如何だろうか?」