zz ベラスケス「王子バルタザール・カルロス」

私が男の中の男の画家・・・・いうか、男でしか描けない絵と感じているのが、このベラスケス。


初めてベラスケスの原画を見たのは17年前・・・・広島美術館で「エルミタージュ美術館展」をやっていた時・・・題名を忘れたけど、ある貴族の男の肖像画・・小さい作品だった。


この展覧会の目玉は「ラファエロ」、他にも歴史に残る有名な世界の巨匠の作品が勢ぞろいだった。

ベラスケスといえば、有名なスペインの王女を描いた連作シリーズを画集でしか当時知らなかった私・・少女だった私は「王女なんだから、もっと美人に描いてあげればいいのに・・」ぐらいの感想でしかなかった。原画を見てこの画家の印象が変わったけど。


いろんな巨匠の作品の中で、画面から重厚で、どっしりとした、そして、なんといっても画面から気品がただよっていた・・・そう特別に感じたのはこの画家だった。「この人・・絶対貴族だと思う・・!でも、貴族で画家・・そんな人いる??」

帰って、すぐベラスケスの生涯を調べたら、貴族ではなく、晩年に騎士の称号をもらったことが分かった。

ベラスケスは貴族ではなかったけど、貴族には負けない気品の高さがあったんではないかと思う。


いろんな宮廷画家の描いた作品で王族の絵は今までたくさん見たけど、私が画面から気品を感じたのはこのベラスケスだけだった。


そして、この重厚さ・・・男じゃなきゃ、この精神的重さは表現できないと思う。

女性がたとえ模写して、絵は似せることが出来ても、画面からにじみでるこの重さ・・・独特の・・貫禄・・男っぽさは表現難しいかも。


男の中の男・・・女性よりたぶん、同性の男にもてたに違いない・・ベラスケス・・。

スペインのフェリペ4世もベラスケスの人格面に強い感銘を受けて、特別扱いしたらしいし・・。


今日、ベラスケスのことをずっと思っていたのは、自分の息子のことで・・。保育園で数人の友達に殴られてるのを見たから。

「また、たたかれたんよ~」と最近いつも言ってるし。

幼稚園と違い、保育園はまさに弱肉強食・・。この程度で先生に相談するのはバカげてるし。

男のことはよく分からんから、ダンナにアドバイスを頼んだら、「いいかい、いくら殴られても、絶対叩きかえしてはいけないよ。」

と息子に教えさとしてた。


・・・そうじゃないだろっっ!!とびっくりしたけど、黙ってた。ダンナがこの家の法律だ。


今日の朝、もう我慢できないので、強く息子に言った。


「いいか!陽太!お前は男だ!殴られたら殴りかえせ!なめられたら終わりだぞ。でも、自分からは絶対手をだすな!分かったな!」


うんうんうなずいてた息子・・。父と母、全然ま反対の意見で、迷わせてしまうかも。

でも、今日は友達から叩かれなかったらしくてほっとした。仲良く遊んでるらしい。


男の中の男、ベラスケスだったら、なんて言うんだろう・・そんなこと絵を描きながら、ぼんやり考えてた。