鯖のへしこは塩漬けにした鯖を糠の中に仕込んで発酵させて作る。
旨味が凝縮された発酵食品。
それをさらに、水洗いし、塩出しして、麹と米を混ぜたものを鯖の中に入れ、漬け込む。
米麹の発酵作用で、より熟成させる手間暇かかった昔ながらのなれずし。
なれずしは、古代ずしとも言われ寿司のルーツとされている。
今時のご飯を握って生魚を乗せる寿司とは又違うけれど。
たっぷりの麹が挟まって、更に麹の中で熟成されているのでほんのり甘い。
熟成された鯖の旨味と麹の甘みが合わさって絶品の珍味。
冬の間のお楽しみ。
時間が経ちすぎると乳酸発酵してヨーグルトのように酸味が出てしまうので麹が甘い間に食べる。
へしこのように焼かなくてもそのまま食べて美味しい発酵食品。
昔の人はよくこんな美味いものを発明したものだと感心する。
特にこの魚の旨味を吸って発酵した麹が又美味しい。
甘いだけで無くて深みのある旨さ。
日本海側の食文化は奥が深い。
毎冬、若狭の知人が送ってくれるのが楽しみで楽しみで。
和尚さん、まるでサンタクロースからの贈り物みたいに待っている。