暑くなればなるほどかけるもの、なに?

 

アバンでは、小学校でのサッカーチームでプレイする晴の姿が描かれます。晴による言及はあたものの、その実際が描かれたのは初めてで、サッカーを楽しみ、男子選手と伍して躍動する晴の姿は心地よいものです。

 

Aパートでは、梨沙やありすがダンスの時にスカートがどう動くか検証を行っており、これはプロデューサーがバックダンサーの仕事を持ってくるまで、漫画版での晴編の導入部と同じ展開となっています。

〇 なお、漫画版では晴と梨沙が務めるのは、一ノ瀬志希と宮本フレデリカの対バン形式のライブの志希の側のバックダンサーで、フレデリカ側は城ヶ崎莉嘉とメアリー・コクランが務めました。

〇 アニメ版ではLiPPSのバックダンサーを務めることとなっており、その人数から晴や梨沙以外にもバックダンサーがいることが予想されます。

〇 初見時には当然ながら気づきませんが、エンディングでお披露目される晴ソロ曲がBGMに使われてるの、反則技だな。

 

晴がバックダンサーをアシスト役と捉え、カッコよく感じて引き受ける展開、衣装のスカートに抵抗を感じる展開も漫画版に準拠しています。

〇 晴たちのレッスンを志希が覗きに来るのも漫画版準拠です。但し、漫画版では第2話で梨沙が志希のポスターを紹介しており、晴にとって知らない存在ではなかったことが違いです。

〇 漫画版では、志希の「怪しいお薬の被検体にしちゃおうかな」という発言に晴が恐れをなしていることがギャグ風に描かれていて、これは後々までリフレインする構造となっています。アニメでは,晴がバックダンサーの仕事と向き合う中で、可愛い衣装も受け入れることに重点を置いたため、このあたりはさらりと扱っています。

 

〇 バックダンサーの衣装も、漫画版よりは可愛いに極振りしたものではなく、カッコ良い系だと思えるのですが、晴はスカートが苦手なのですね。

〇 ゲーム版、特にモバマスにおけるプロデューサーは無茶ぶりが多く、晴はバニーガールやウエディング衣装も着せられたりしているんですけどね。

〇 衣装を受け入れられない晴に対する梨沙の物言いは辛辣ですが、こんな口論ばかりしていても互いの実力を評価し、互いに背中を預けあえるこの二人はコンテンツ上最も息の合ったユニットの一つなのです。

〇 梨沙との言い争いの中でふと冷静になって、頭冷やしてくると言える晴は、小学生にしては人間でき過ぎです。梨沙も一人にしてってプロデューサーを追い出しながら、晴の行き先の心当たりをプロデューサーに告げるなど、いや君たち絶対小学生じゃないだろって、年齢詐称を疑ってしまいます。

〇 プロデューサーがここまで、晴のアイドル志望動機について無知なのは現実としてはあり得ないので、お話の展開上そういう風になっているのだと思われます。

〇 春の家庭環境は、父親と複数の兄がいることが明かされ、晴に可愛くなって欲しい「バカおやじ」、喧嘩もするけれど一番仲の良い下の兄貴について言及されることが多いのですが、母親について語られることはほとんどありません。もしかしたら晴によく似た肝っ玉母さんなのかなあ? 晴がサッカー好きなのも兄貴たちの影響が大きいですものね。

 

プロデューサーの現状打開策その1は、まず見てみよう。晴にアイドルのライブを見せようというものでした。

〇 自分と晴の荷物を持って、遠巻きに晴たちの様子を見守る梨沙がいじらしい。

〇 漫画版では、たまたまこの日に開催されていた志希のライブに、プロデューサーが晴を連れて行くのですが、アニメでの録画鑑賞会の方が現実的ではあります。

〇 ここでの「Tulip」は紹介程度。のちのライブに全力を注ぐつもりなのですね。

〇 ライブの熱気に魅せられる晴が、例の瞳の描写で描かれ、プロデューサーの目論見は見事に当たりました。

 

〇 バックダンサーへの前向きな思いを持った晴に、笑顔で衣装を差し出す小春ちゃん、デレアニ第10話で交番にプロデューサーを迎えに来たちひろさんの笑顔を思い出させました。

 

プロデューサーの現状打開策その2は、衣装変更の交渉でした。

〇 Aパート冒頭でプロデューサーが部長と次長が話をしている様子をうかがっていまいたが、内容は解りませんでした。

〇 部長たちとの会議室、カビが生えたように彩度も明度も落ちてます。

〇 「そのぐらいのわがままはお前が何とかしろ」という部長の言葉はある意味正論です。「まだこども…」と言い返そうとして口をつぐんだプロデューサー、辛いけれどもそこを武器にしないのは良かった。

〇 それでも上と掛け合ってみるって言ってくれる部長、それは彼も良いパフォーマンスに期待する一人だからでしょうか。

 

プロデューサーがスカートを履いて見せるの、漫画版では普通に衣装室のものを使っていたけれど、アニメでは千枝のお裁縫作品だったのか。

 〇 この行動は、晴を笑わせてはいるけれど、問題解決には寄与したのかなあ。

 〇 プロデューサーについてきた三人三様、呆れるありす、困惑する千枝、終始笑顔の小春。

 〇 何年か後には、このスカートは千枝の宝物だったり…。

 

さて、週末のライブ当日、晴は衣装はそのままながらスパッツを履くことが許されたことが語られます。

 〇 部長はきちんと交渉してくれたのですね。

 

他のバックダンサーの姿も確認できました。莉嘉、メアリーに加えて南条光、小関麗奈です。

〇 光と麗奈は漫画版では横山千佳のエピソードで深く関わるのですが、アニメには千佳が未登場のためここで出番を貰えたのでしょうね。4人とも台詞はなし。

 

 LiPPSのメンバーは一言ずつ台詞あり。城ヶ崎美嘉がいじられ役なのは、ゲーム版から相変わらずです。漫画版に美嘉が登場するのはずいぶん後になってから。速水奏に至っては現在も未登場です。

 そして、新曲「Nightwear」。U149で先輩アイドルたちが新曲貰うなんて、アニメが始まるまで予想もしませんでした。

 〇 梨沙が緊張しているところへ現れて、おちゃらけつつもその緊張を取り去る先輩たち流石です。

 〇 ライブパートは圧巻です。歌唱部分でLippsの魅力を描き切り、間奏部等でバックダンサーたちの働きや応援する第3芸能課の面々を描き切り、1クール半ばでライブシーンに焦がれていた視聴者を満足させるものだったでしょう。

 

バックダンサーをやりきった晴の喜びの描写が素敵です。アイドルの楽しさを知った晴は、ようやくアイドルへの一歩を踏み出したというところでしょう。

挨拶に来た志希の「ここまで来たまえ」という煽りも漫画版準拠ですが、志希が指で晴の汗を一滴奪い取っていくという描写が付け加えられました。

〇 漫画版では、志希の煽りに応えるための晴の歩みが長いスパンで描かれます。

〇 ライブを見ていた9歳組が晴に抱きつくシーン、面倒見のよい春はこの二人にいつも優しく接していて、慕われているんだなということを彷彿とさせます。

〇 志希に汗を奪われる描写は、志希の趣向とともに、後述の晴のソロ曲にも繋がっていますね。

 

プロデューサーと晴のグータッチ、彼女はこの約束を違えぬためにも、さらに活躍してくれるでしょう。

 そして、エンディングは待望の晴のソロ曲「ACE」。漫画特装版付属CDでの実装を梨沙に譲って、漫画版での晴の物語の展開後に実装されるのかなと思わせていたのが、ここで披露されました。晴らしい、良いテンポでカッコいい曲で喜ばしい。

 〇 「ACE」の題名がサブタイトルのなぞなぞの答えである「汗」を連想させると話題になっていましたが、さらには志希が奪っていったのも汗でしたね。

 〇 第3芸能課でのサッカー紅白戦では、薫が攻守ともに活躍している様子も描かれ、親目線で見ていました。