アニメU149 第3話 海に沈んでもぬれないもの、なに?

 

 アバンでは、みりあがベビーベッドの妹をあやしています。この世界では既に頼れるお姉ちゃんなみりあですね。

 楽しげに事務所に向かうみりあとは裏腹に、プロデューサーの営業は上手くはいっていないようです。

 

 事務所では夏休みの宿題組と雑誌でファッションチェック組。晴が宿題苦手なのは漫画版でも語られていて、これは晴が苦手とは言ってるものの、勉強ができないわけではなく、サーカーなど他に楽しいことが多すぎて宿題に手がつかない様子なのです。現に、夜にどうしても見たいサッカーの試合がある際には、宿題を片付けておこうとする姿も見せています。ありすは晴に基本的に塩対応ですが、これは小学生男児っぽい晴の思考や言動を子どもっぽいと思っているからでしょうね。漫画版でも同様なのですが、一方で憧れへの到達に一途で、そのための困難や必要な努力をものともしない晴の言動には、さすがのありすもリスペクトめいたものを感じています。

 みりあと梨沙が読んでいる雑誌にはガールズパワーの3人の姿が見られます。表紙と裏表紙は見切れてますが、それぞれ沢田麻理菜、松本紗理奈でしょうか。ここでみりあが口にする「アイドルってどうしてこんなに可愛いんだろう?」という疑問が、この話の一つの柱となります。

 可愛い衣装もステージもまだで、キラキラじゃないと言うみりあに応じ、梨沙があのプロデューサーで大丈夫だと思う?と一同に質問を投げかけます。みんな黙ってしまう中で仕事とかよく解んねえしと言う晴に対し、みりあはきっとすごく楽しいよとまだ見ぬ未来に期待を持っていることが示されます。

〇 晴はみりあより年長ですが、家ではお姉ちゃんのみりあに対し、晴は末っ子です。ちょっとした逆転現象。年少者への面倒見がよい晴ですが、みりあに対しても例外ではなく、漫画版では他のメンバーたちが気づかないみりあの我慢を察していると思われるシーンもあります。そう言えば、メンバー中で兄弟姉妹がいるのは晴とみりあだけですね。

〇 基本的に、みんなきちんと靴を揃えて脱いでいるのに、晴だけ脱ぎ散らかしているのは、やはり彼女の行動様式が兄たちの影響からか小学生男児寄りですね。

 

ありすが見ているタブレットには、インフルエンサーとして佐藤心、夢見りあむ、砂塚あきらの紹介が。ありすに最も近しいのは、属性が同じでネットにも詳しく、ゲーム好きなあきらでしょう。りあむの真似はやめとこうね。

〇 ありすの(プロデューサーに)期待してもし駄目だった時に辛いのは私達なんです、という発言は漫画版由来です。そこでは、基礎を固める方針だったプロデューサーが彼女たちの不安に気づき、初仕事を獲得してくる熱情を見せました。

 

 プロデューサーが姉と電話をしているのに気づくのがみりあ。他者の様子にはよく気が回る子です。会話の相手を彼女?って訊ねてくるのはおませさんですね。

 薫がしゅがみんTVの動画を見たがり、そこからみりあが菜々に会いたいとせがむことから、プロデューサーがお仕事獲得の着想を得て、実現させる展開はきれいにお話を進めましたね。

〇 漫画版では常連の先輩である佐藤心に対し、アニメで初登場の安部菜々。漫画版では心の仕事の相方は三船美優、オフの相方は沢田麻理菜が務めます。というか、漫画版での成人組はこの三人しか登場していませんね。しゅがみんTVのノリを見ていると、ここで心の相棒にウサミンが起用されたのは必然性を感じますね。

〇 プロデューサーが課長に掛け合い、「年下の子の面倒を見てあげるアイドルって微笑ましい」というのは、ゲーム版で初期から繰り返し描かれてきたことでもあります。橘ありすと鷺沢文香、赤城みりあと城ヶ崎美嘉、佐々木千枝とブルーナポレオンの面々、龍崎薫と東郷あいやカナリアサマーの面々、市原仁奈と様々なお姉さん達など、この構図のもとに展開されてきたエピソードがいくつも想起されます。漫画版で登場する先輩アイドル達も多聞に漏れず庇護者的な地位を獲得しています。

〇 課長が執務していた部屋には、巨大な歴代シンデレラガールのポスターが掲げられており、このアニメの世界観では、すべてのアイドルが同一事務所に所属しているように見えます。

〇 というよりも、レッスンスタジオ等の窓から遠景で見える美城プロダクションらしき建物からも、第3芸能課が明言されないまでも同プロダクションの一部らしいことが仄めかされています。あれだけ大きい施設なのに、第3芸能課のために別のビルを借りたのか?

 

プロデューサーの営業活動は成功したようで、晴れて第3芸能課の面々のしゅがみんTVへの出演が決まります。2班に分かれて、第1班は佐藤心と共演です。

〇 仁奈がウサミンこと菜々と会えなくて残念がっているのは、菜々は着ぐるみアイドルではないもののウサミン星人という設定をまとった存在で、〇〇の気持ちになるですよという仁奈とは親和性の高いアイドルだからでしょう。

〇 プロデューサーにはあとちゃん呼びを強要して圧をかける心には、アニメシンデレラガールズ10話で交番にプロデューサーを迎えに来たちひろさんを思い出して戦慄した人もいるかも。

 

 心との共演で取り組む内容は、各アイドルの個性を重んじた内容でした。挿入歌はしゅがみん+みりあでの「凸凹スピードスター」

〇 薫ちゃんとかき氷。薫の趣味は料理。練乳かき氷で白熊を可愛くデザインできました。心曰く「職人さんだね」。

〇 小春ちゃんとお絵かき。ゲームでも漫画版でも、小春のお絵描きってそんなに描かれてなくて、むしろ薫の方が親和性が高いようなのだけど、それはさておき、小春とお絵かきは後の千枝回への布石となるものです。またアニメ本編ではここでヒョウくんの存在が明らかとなりました。(オープニングでは姿が見られましたけどね。)

〇 仁奈ちゃんとゲーム。ゲームというよりはむしろ、仁奈ちゃんとウサミンの気持ちになるですよ、でした。

〇 桃華ちゃんとティータイム。桃華はシンボルマークがティーカップですしね。茶葉を自らブレンドしたのか、業者にブレンドしてもらったのか、桃華なら後者かもね。

〇 みりあちゃんとおしゃべり。これまたみりあの趣味ですね。

 

収録後の、みりあのライブ配信の方法についての質問から話が転がり始めます。ここからの展開は、漫画版の藍色鈴々RADIO編をアレンジしたものとなっています。

〇 アニメの突発的事象って、みんなピタゴラスイッチに見えますね。

〇 ウサミンのお天気コーナーの天気予報が雑なのは、アニメシンデレラガールズでも同様でした。

〇 予告なくても、配信始まったら通知があるから、ファンたちは三々五々集まってくるのですね。

〇 会長の赤スパチャ、これは本物ですよね。菜々さんが送ってくるLineがほとんど感嘆詞とか意味をなさない叫びである中に「あかいです」っていうのが混じってて…。

〇 赤スパチャの連投と新規ファン獲得のチャンスと割り切った心が配信継続を決めてプロデューサーたちを締め出してしまうの、酷い。でも後がないアイドルと自覚する心のチャンスは逃してはならないという開き直りには、確かに強いものもあるのです。

 

〇 チャットが荒れ始めるのは漫画版準拠です。漫画版ではレギュラー出演者のインディゴ・ベルの二人のフォローや、異変を察した千枝が応援メッセージを取りまとめてプロデューサーに託し、CM中に披露されたことにより、みりあは考え、気持ちを立て直して番組に挑みます。アニメでは、どうしようと一瞬逡巡したものの、間髪を入れず「教えてくれてありがとう」はみりあの聡明さと純粋さを端的に表現しました。

〇 チャットに現れるハンドルネームは一癖ありそうな奴ばかりなのだけど、「おもしろくん」は久川姉妹の楽曲「O-Ku-Ri-Mo-No_Sunday!」の冒頭に登場する投稿者のラジオネームで、「オクシモロン」や「O-Ku-Ri-Mo-No_S」のアナグラムとなっています。オクシモロンと言えば、この配信が意図せず始まってやめられなくなってしまった状況への皮肉かも。これらのハンドルネームの中には、後に再登場するものも現れます。

〇 プロデューサー達が窓の外からみりあへの応援メッセージを掲げるのは、漫画版で千枝が取りまとめた応援メッセージへのオマージュとなっています。なお、各々のメッセージはCVさんが書いたもの。アイマスでは伝統的な手法ですね。

〇 思えば、アニメシンデレラガールズ17話で、思わず涙をこぼした美嘉を目にして、考え、決意して行動に移したみりあの聡明さとは軌を一にしていますが、一人の女性としての確かな成長を見せつけたのと、子どもらしく純粋な素直さを見せつけたところが、みりあの異なる魅力を描き出す結果となりました。

〇 プロデューサーと仲間達のメッセージを見た後、みりあが「アイドルって可愛いよね」と独白し始め、「みんなの大好きと笑顔のキラキラがみりあ達まで届くから、だからみりあ達可愛くなれちゃうんだ」と冒頭でのみりあの疑問の答え合わせをしています。

〇 配信はどうやら穏便に終えることができましたが、駆けつけた課長から心とプロデューサーは大目玉を食らうこととなりました。子どもを配信での危険にさらしたのですから、当然描かなければならないことでした。二人を引きずる課長、優男に見えて力持ち。

〇 仕事を終えてスタジオから出てきたみりあは、(彼女を生配信の危険にさらしたことを)謝るプロデューサーを、「プロデューサー、さっきからずっと難しい顔してる」と評したのは、漫画版のみりあ編へのオマージュです。漫画版ではプロデューサー一人で考えないで、一緒に考えようとつながります。

〇 怖くなかったのかと訊ねられて、あたりを確認してから「ホントはすっごい怖かったの」と告白するのは、一人の女の子の心の機微の描写として、ものすごく優れたものだと思います。

〇 みんなが楽しくなくちゃ嫌なの、というみりあの哲学は随所で描かれています。そのためにがんばるみりあを褒めてあげるのは、プロデューサーの大切な仕事です。

〇 友達と宿題する約束を思い出したみりあが早く帰ろうと言いますが、仁奈たちがお腹が減ったと言うものだから、何か食べて帰ることとなった模様。みりあは約束を守れたのか心配です。

 

そして、しゅがみんTVの配信が成功裏に終わったことが語られ、更には新しいお仕事につながる流れとなります。次回は桃華のバンジー回となります。

〇 菜々と収録した内容も明かされ、「ありすちゃんとホラゲ絶叫」「千枝ちゃんのぬいぐるみ手作り講座」「晴ちゃんと1on1対決」「梨沙ちゃんのウサミンギャル化?計画」。筋肉痛が怖いウサミンというのが笑えます。

〇 桃華のバンジー回ということで、次回は漫画版の桃華編に準拠したものと予想されました。

 

エンディングはみりあのソロ曲、「Romantic_Now」。デレステのライブでは歌詞2番が採用されているため、耳にするのが珍しい歌詞1番という不思議な現象が起きています。CVの黒沢ともよさんの卓越した表現力、運動能力でライブでは神曲と化しています。作曲のTaku Inoue先生の出棺曲として有名です(笑)。

そして、アニメーションでしゅがみんTVの収録風景が披露されました。

 

サブタイトルのなぞなぞの答えは「太陽」でしょうね。そういえばこの回の行動予定表のみりあの欄はおひさまマークでした。それから、1話2話で印象的だった瞳の描写がない回でもありました。