アニメU149 第2話 おでかけなのにただいまをするものって、なに?

 

 アバンで仁奈ちゃんがゾウさん如雨露で水やりをしています。シンデレラだからカボチャなのかと思いましたが、ヘチマなんだそうですね。お婆さんに水やりを感謝されて、事務所へと走り出す仁奈ちゃんです。沿道では街の人々とお馴染みのようで、互いに挨拶しながら駈け抜けます。

 一方、事務所では予定が決まっているらしくて、仁奈以外のメンバーは既に集まっています。集合時間にはまだ時間があるのか、各自自由に過ごしているようです。事務所に到着した仁奈は大切に抱えてきた荷物の中身を披露します。もちろん、着ぐるみです。みんな興味津々ですよね。やがて登場したプロデューサーとアイドル達のやり取りで、この日は何かの撮影が行われることが解ります。

〇 沿道の人達やこの後登場する警察官の様子から、仁奈が街の人々に着ぐるみ着た子と認識され、愛されていることが解ります。

〇 事務所行動予定表やかばん置きが13枠あり、1話のシャンデリアの電球と同じく第3芸能課が本来13人であることを示唆しています。なお、行動予定表のみりあがスマイルマーク、薫がお日さまなのは微笑ましいですね。

〇 仁奈以外は事務所で全員揃っていて、寛いでいます。千枝はお裁縫、小春はお絵描き、ありすは読書、薫はみりあをなわとびに誘い、晴もサッカーをしに行こうか思案中。梨沙はファッション研究に余念なく、桃華は優雅にティータイム。因みに、ゲームでのありすはタブレットでの電子書籍派なのですが、ここではライトノベルらしき紙書籍を読んでいます。

〇 仁奈がみんなに披露した着ぐるみは、コアラ、イカ、ニワトリ。そもそもヒヨコの着ぐるみ姿でやって来ています。

〇 手厳しい発言の目立つ梨沙ですが、ここで仁奈に向ける眼差しは優しく、仁奈の着ぐるみを「こだわりのファッション」と評しています。

〇 みりあ、仁奈、薫のパッション三人組は、1話でもプロデューサー捜索隊で行動を共にしましたが、ここでも一緒にはしゃいでいます。もちろんこの後も…。

〇 概ね、年上のアイドル達全員、最年少の二人には優しく接してくれますが、特に仁奈に対しては明らかにお姉さんモードになっています。仁奈に対してアイドル達が庇護しなくちゃモードになるのは、ゲーム由来です。

 

 そして始まるオープニング曲Shain_In_The_Sky。このアニメーションがもう目が離せないほど素晴らしいんのでした。

〇 丘の上でのライブ開始から事務所遠景でタイトル、三々五々集まってくるアイドル達、水たまりに映る全員揃って駈け出す姿、そして一人ひとりが大切にしているもの。なお、水たまりに映る姿は、彼女たちに声が付与された順番となっています。

 梨沙:自分磨き自撮り

 晴:サッカー

 小春:大親友ヒョウくん

 千枝:裁縫とウサギ

 仁奈:着ぐるみ

 薫:ひまわり

 桃華:ティータイム

 みりあ:おしゃべり

 ありす:憧れのアイドル

〇 そして、ライブ前の送り出しのシーンは、プロデューサーがアイドル一人ひとりの個性に応じて的確に対応しています。

〇 飛び出した先のステージは、アイマス伝統の白背景に彼女たちのシンボルマークがあしらわれたもの。そして白一色だった衣装に色が付き、装身具も現れます。なお、三つ葉をあしらった第3芸能課のシンボルマークは、アニメ化に際しデザインされたものです。

〇 そして冒頭の丘の上に戻ったのち、これがありすの夢の中での出来事だったことが示唆されますが、これは不思議の国のアリスオマージュですね。目を覚ましたありすは、仲間たちに手を取られ、ともに駆け出すのでした。

 

プロデューサーによりこの日の撮影がアー写であると明かされ、不満を述べる梨沙達ですが、宣材写真がないとプロデューサーの営業活動も捗らないですからね。

〇 ホワイトボードにLiPPSの5人と桐生つかさの宣材写真がありました。LiPPSのうちの速水奏と桐生つかさは、漫画版未登場です。

〇 アニメ第2話が宣材写真回であるのは、アイマスの伝統です。

〇 撮影が描かれたのは桃華のみ。桃華の魅力がこれでもかと見せつけられる場面でした。

〇 晴が一ノ瀬志希を知らないというのは、この話の展開の伏線であると同時に、晴回の伏線でもあります。

〇 仁奈の宣材写真撮影にあたって、着ぐるみ姿がNGとなるのは、アニメオリジナル展開です。ゲーム上では、普通にウサギの着ぐるみ姿で写っています。漫画版の写真撮影回(ありす編)では、宣材写真ではないものの、オオカミの着ぐるみで撮影されています。

〇 プロデューサーによる着ぐるみNGについての説得は、この日は功を奏さず、仁奈の撮影は延期されたようです。

 

 

宣材写真撮影後はダンスレッスン。結構ハードなレッスンです。終了後、梨沙の発した「一足先に一人でデビューね」という言葉にに、仁奈が「一人は寂しいでごぜーますよ」と反応してしまいます。所謂「市原家の闇」とも言われる仁奈の家庭問題(父親は海外に単身赴任、母も多忙であること。)が表面化の兆しを見せますが、ここでは誰も原因を究明することまで至りませんでした。

レッスン後、いったん事務所に戻るアイドル達ですが、ここで仁奈をアクシデントが襲います。

〇 仁奈が反応した際に、プロデューサーのみならず梨沙も慌てていました。漫画版の梨沙には、父親が不在で寂しく思っている仁奈に配慮して、彼女の前ではパパ好き発言を控えていたという設定があります。

〇 仁奈に対するケアが中途半端なまま、かかってきた電話に対応し、席を外してしまうプロデューサーにありすは怒りを表していますが、直後にプロデューサー自身も「俺、情けねえ」と自責の念に駆られており、すぐに反省して次に行動に出られるところが彼の美点です。

〇 仁奈がレッスンスタジオの階段でニワトリの着ぐるみを落としてしまうのは、これまたシンデレラのオマージュです。

〇 仁奈の落とし物を拾うのが一ノ瀬志希とその相方たる宮本フレデリカ。志希が登場するのは、宣材写真撮影時の晴と梨沙のやりとりでフラグが立っていました。彼女たちの登場に、ゲームから親しんでいる視聴者は「やべー奴ら来た」と思ったことでしょう。しかも彼女たちはこのあと自己紹介するでもなく、初見の視聴者には何者なのかさっぱり解らない状況が続くのです。

〇 漫画版作者の廾之先生は、先輩アイドルとして一ノ瀬志希を起用した際(晴編)、志希なら小学生アイドルたちに構いすぎない、ということを理由に挙げておられました。

 

 

プロデューサーが事務所に戻ると、着ぐるみを失った仁奈と彼女を取り囲むアイドルたちがどんよりした空気を醸し出しており、驚かされることになります。心当たりの場所を確認しますが着ぐるみを発見できず、プロデューサーが探しに行くことを宣言します。これに対して仁奈も同行することを宣言しますが、プロデューサーだけでは心許ないと感じたありすも同行を志願します。

一方、着ぐるみを拾った志希とフレデリカも課室を訪いますが、すでに全員出払った後でした。

〇 課室で落ち込んでいる仁奈に寄り添っているのは、最初は薫と千枝ですが、途中から薫とみりあに入れ替わっています。千枝ちゃんどこ行った?

〇 落とした着ぐるみを探しに出かける際、仁奈がそれまで身に着けていたヒヨコの着ぐるみに待っているよう言い聞かせておいていくことにより、彼女が着ぐるみをつけていない素の状態を作り出しています。

〇 課室を訪れた志希が匂いをかいでいるのは、彼女が匂いにこだわりのあるアイドルだからです。宣材写真撮影時にも梨沙が「一ノ瀬志希のミューズの新作」を使っており、晴が「うまそうな匂い」と反応しています。

〇 二人がおふざけで喋っている番組名は「名探偵志希ちゃん」「フレちゃんの三食クッキング」。完全にフレデリカの思いつきですよね。

 

着ぐるみ探索に出かけた三人は、最初に交番を訪れます。警察官は仁奈のことを見知っており、遺失物届についてもすぐに確認してくれますが、届け出はありませんでした。仁奈は少し落ち込みますが、ありすたちに励まされて警察官に感謝の意を述べます。仁奈の無邪気な様子に警察官が笑顔になると、朝仁奈が水やりしていたヘチマの花が開きます。以降、探索の道すがら仁奈が人々を笑顔にするたびヘチマが開花する演出が入ります。

〇 ヘチマの花言葉は、悠々自適、剽軽、お調子者などですが、これは仁奈よりも彼女たちを追いかけている志希とフレデリカに当てはまりそうです。

 

ありすの現状分析による提案で、人通りの少ない狭い道を中心に探索することとなります。挿入歌は、仁奈と志希、フレデリカによる「きみにいっぱい☆」。全話通じて定評のある水の表現の素晴らしさはここでも例外でなく、カモの親子が泳ぐ水面が素敵です。仁奈は道すがら出会う人々を次々と笑顔にしていきます。

〇 仁奈とゴールデンレトリバーのツーショットは、鋼の錬金術師へのオマージュでしょうか。ニーナとアレキサンダーは悲しい最期をとげるので複雑です。

〇 ありすがタブレットで描いたニワトリ着ぐるみの絵が上手です。

〇 仁奈をイジッた女子2人組に、やはりイジられたありすのトホホ感が笑えます。

〇 神主さんに飴を貰った神社は、金王八幡宮です。デレアニ1話でプロデューサーが凛をスカウトしようと佇んでいた場所で、14話で凛が加蓮と奈緒に出会う所でもあります。

〇 アイドルたち全員で追いかけてきて見守っているのはさもありなんですが、出会って日が浅いはずなのになかよしです。

〇 同じく追いかけている志希とフレデリカは、遊んでるだけじゃないのかな。

 

探索のすえたどり着いたのは、仁奈がヘチマに水やりしていた公園でした。既に日も傾いていますが、三人での探索行が楽しかったと見えて、仁奈の悲しい気持ちは少し忘れられています。公園には普段仁奈が遊んでいる子どもたちもいます。

〇 仁奈のお友だちの一人ゆうくんのお母さんの話で、仁奈がいつもこの公園で一人でいることを、プロデューサーとありすは知ります。なお、プロデューサーは仁奈のお兄ちゃんだと思われた模様です。

〇 そして現れた志希&フレデリカ。明らかに怪しく可笑しい動きで描かれています。「はるか彼方に忘れられた人類の宝!」。オバケだぞと仁奈を脅かしたのち、フレデリカはどこへやら。仁奈ちゃんぐるぐる目。

〇 残った志希は仁奈と問答。介入しようとしたありすを一瞥で牽制。仁奈の父親が海外赴任で母親も忙しく、寂しい家庭状況を説明させます。寂しい故にみんなに注目して貰いたくて着ぐるみを着ていることも。

〇 親が不在で寂しいのは、程度の差こそあれありすや志希とも共通する家庭事情です。

〇 着ぐるみなしの仁奈なんて面白くねえですよ、との発言に、志希はプロデューサーをチラ見します。ここからはキミの役目だぞ。

〇 プロデューサーが間髪を入れず、そんなことないと叫びます。こういう熱さと優しさがこの人の取り柄です。仁奈がプロデューサーに望むこととして、優しい人というのを挙げていましたが、それはしっかり適っていると思われます。ちょっとありすが驚いているくらいの熱さです。

〇 プロデューサーは、今日も道々で仁奈が出会った人たちを笑顔にしていたことを指摘するとともに、着ぐるみがすごいんじゃない、市原さんがすごいんだよと言い切ります。

〇 ここでプロデューサーを見上げる仁奈の瞳の描写。1話ではプロデューサーの夢や憧れを表していたしたが、ここでは仁奈の希望を見つめる描写となっています。

〇 市原さんは市原さんのままで魅力的なんだ! 俯く仁奈に上を向かせる言葉ですね。プロデューサーの言葉を受けて考え込む仁奈に、ありすも今日は事務所を出てから着ぐるみを着ていませんでしたよと援護します。

〇 仁奈がもっともっと元気だったら、パパも喜んでくれるかな? 仁奈の行動原理は梨沙のそれと相似ですね。年少である分、より純粋にパパに甘えたくてという感じです。

〇 プロデューサーと仁奈は、パパが世界のどこにいたって仁奈の元気が伝わるすごいアイドルになろうと目標設定します。仁奈曰く、すごいアイドルになってでっかくデビューする、だそうです。

〇 いつもまにか姿を消した志希とフレデリカですが、ベンチにニワトリの着ぐるみを残していってくれました。

 

事務所に帰ると、他のアイドルたちは先回りして既に戻っていました。ここでプロデューサーがある提案をして、メンバーたちの意見を求めます。「みんなのきもち」を知りたいんだ。

〇 「みんなのきもち」は言わずと知れた仁奈のソロ1曲目の題名です。

〇 個別に一人ひとりではなく、みんな揃ってのデビューを目指す。これは漫画版でもアイドルたちの公平さを確保する見地からか貫かれてきたプロデューサーの思いです。

〇 一人だと不安な子、みんな一緒だって私がトップと考える子など、受け止め方はそれぞれですが、みんな一緒に揃ってデビューという方針はメンバーたち全員に受け入れられます。

 

改めて設定された宣材写真撮影では、仁奈は着ぐるみをプロデューサーに託し、見事に撮影を終えました。

〇 撮影を終えた後でみんなで記念撮影という流れは、アイマス伝統です。

〇 みんなでの写真をSNSに上げ、いいですねが84人。まだまだこれからです。そしてそのSNSを閲覧していたのは会長か?

 

エンディングは仁奈のソロ1曲目の「みんなのきもち」。これが流れると幼児化する視聴者多数です。アニメーションは、仁奈が水やりしていたヘチマをみんなで見に行きます。

親が不在で淋しいというのは、仁奈の年齢なら当たり前に言えることなのですが、小学生も高学年になると、恥ずかしさやもうしっかりしなくちゃいけない年齢だという自覚などにより、素直に淋しいと言えなくなりますよね。そんな課題を、仁奈に同行したありすが背負っていないか心配です。

 

 サブタイトルのなぞなぞの答え、帰省とか実家とか言われていますが、今一つしっくりきませんね。