人物撮影で一番大切なのは、シャッターを切る瞬間ではなく、その前の時間だと思っています。
カメラマンとして独立してから、特に意識しているのが「観察」です。
被写体の方がどんな表情をするのか、どんな仕草が自然なのか、どんな角度が魅力的なのか。
シャッターを切る前に、まずはその人をじっくり観察することを心がけています。
スタジオ勤務時代や広告制作会社時代は、限られた時間の中で効率的に撮影を進めることが求められました。
もちろんそれも大切なスキルです。でも独立してから気づいたのは、焦ってシャッターを切るよりも
一度立ち止まって被写体を観察する時間を持つことの重要性でした。
先日、ある企業の代表者の方を撮影する機会がありました。
最初は緊張されていて表情も硬く、いわゆる「決まった笑顔」をされていました。
でも撮影を一旦止めて雑談を交えながら観察していると、ふとした瞬間に本当に自然な笑顔が見えました。
その瞬間を逃さずシャッターを切った一枚が、最終的にクライアントに一番喜ばれた写真になりました。
「この表情、普段の自分そのものです」と言っていただけた時、観察することの大切さを改めて実感しました。
カメラの設定や光の調整も重要です。
でもそれ以上に、被写体の方の本質を見極めるための観察が、人物撮影では欠かせません。
これからも、シャッターを切る前の時間を大切にしていきたいと思います。