フリーランスカメラマンの多賀朋毅です。

普段は広告やポートレートなどいわゆる商業写真を撮ることが多いのですが、合間を縫って自分の作品撮影も続けています。
どちらも「写真を撮る」という行為は同じなのに、求められる思考や姿勢はまったく違うんです。
 

商業写真で最優先するのは、クライアントの目的を達成することです。この商品をどう魅力的に見せるか。
このモデルの個性をどう引き出すか。撮影前に綿密な打ち合わせを重ね、クライアントのイメージを正確に理解する。
現場では、再現性と確実性が求められます。自分の表現よりも、相手の期待に応えることが仕事です。
 

一方で、作品撮影は真逆です。ここでは誰にも忖度しない。自分が感じた光、一瞬の表情、心に引っかかった風景。
それを素直に切り取る。失敗を恐れず、実験的なアプローチも試す。正解なんてなくて、自分の感性だけが頼りです。
 

この二つを行き来することで、バランスが取れている気がします。
商業写真で培った技術が作品に深みを与え、作品撮影で磨いた感性が商業の現場でも生きる。
 

どちらか一方だけでは、僕はきっと行き詰まっていたと思います。仕事と作品、両方があるから、カメラマンとして続けていける。そんな日々を、これからも大切にしていきたいです。