さて、頑張って練習しなきゃ~~!と思いつつ、なんか「バラを描く」というモードにならなかった私。
気分屋ですからねえ・・・・。
でも、なんで、バラが苦手なんだろう~~。
植物園で見るのは大好きなんだけどなあ~~。
なんていっても、きれいだし・・・・。
でも絵に描くのは苦手なんだよな~~~。
そんな風に悩んでいたある日。
きっかけは突然、目の前に現れました。
それは、表参道のエスカレーターで、私の前に立っていた女性の服装にふと目をとめたとき。
女性は20代半ばくらいでしょうか。
デニムの上に、ピンクのふんわりしたトップ。
それには、小さなバラの花が一面にプリントされていました。
よくある柄なんでしょうけれど、女性はその上にざっくりした感じの紺色のショールを羽織っていました。
それを見たとき。
・・・・って思ったんですね。
そしてそこで気が付きました。
私、バラを「可愛い」って思ったことがなかったかも。
ああ、そうか!
私が描きたかったのは、「きれいなバラ」でなくて、「可愛いバラ」だったんだ!
目からうろこな感じでした。
一つのものを、「きれいに描こうとする」のと、「可愛く描こうとする」のとでは、配色、描き方、配置、組み合わせが全然違うんです。
長年の思い込みって、本当にすごい・・・・。アートの幅を知らないうちに狭めているんですからね。
そこで、作ってみたデザイン。
深めのフレンチにバラを配置して、その上にレースを描いたら、あの時の表参道で見た組み合わせに近いイメージになりました。
「可愛いバラ」には、ハンドペイントの細かいディテールは必要なかったのでした。なので、カルジェルだけでバラを作ってみました。
小さい柄「可愛いバラ」はこちら↓
一つ描き方を確立すると、そのバラからまた「きれい」「クール」「ゴージャス」など様々なバラが生まれてきます。
まだまだ改良の余地ありですが、やっとスランプを脱出できました。
それからしばらくして。
かのお客様が再度ご来店。
参加されるイベントでお召しになる衣装がモノトーンということで、もう一度、バラとレースのオーダーをいただきました。
今回のほうがお互いが持っているイメージに近かったと思います。
悩んでも、答えが見つからないことって、たくさんあります。
でも、「悩む」というのは「考えてる」ってことだと思うんです。
考えている間は、自分の意識が外に向けて広がっている。
海の中に網を投げるみたいに。
「何か参考になるものはないかな」という風に。
そうすると、「それ」が目の前を通り過ぎたら、必ずキャッチできるんですね。
ほら、これだよ!
って。
だから私は大いに悩みますし、それで自分のレパートリーをちょっとずつ増やしてきました。
バラは、このお話でご紹介したほかにもレパートリーがありますが、ご興味のある方は是非講習でお尋ねくださいね。
ちなみに、このお話ですが、ついこの間のことなんですよ。
お客様への施術で再度バラ&レースを描かせていただいたのが、今月の4日でしたからね。