今から23年前、俺が27歳の時の出来事。


当時、俺はイタリア料理店で、スーシェフだった。そこに厨房預かりで23歳の新人が入って来た。何でも、シェフの知り合いの板長(関西圏で名の知れた方)の頼みで数ヶ月預かって欲しいと頼まれたそうだ。


本来、彼は和食希望で板長の元に訪れたらしいが23歳と歳を取りすぎてるのと素行を確かめるべく様子見で預かりというかたちでやって来たのであった。


当の本人はその事情を知らないネガティブ


何でここに来たのかも理解してない様子であった。


カズ じゃあ宜しく。あの板長の所で弟子入り希望なのか?


バカ息子 ッス 実家が寿司屋で親父が修行して来いって言ってきたもんで行ったんスけど…なんか知らないうちに此処へ行けって言われて



カズ 実家が寿司屋なんだ。将来継ぐために勉強しに来たんだな。まず、その茶髪なんとかしたほうがいいぞ。どの道、向こうで弟子入りしたら追い回しで一番下っ端だから坊主だしな。


バカ息子 マジすか…?



カズ まず俺はお前と友達ではないから仕事場では敬語を使えよ。



正直、このバカ息子は弟子入りがムリだと思った。素行が悪いし身なりもチャラい。言葉遣いも良くないから親が甘やかしている可能性があると推測した。まずスタートが遅い。和食の世界は通常15歳から遅くとも18歳の間で追い回しが始まると言われている。23から始まるとしても歳下の先輩からコキ使われる事になるし、本人のプライドが高ければ辞める可能性もある。しかも和食の板前は料理だけではなく、お花を活けたりの美的センスの勉強や掃除の作法などルールが細かい。名のしれた板長の元で研鑽する場合、弟子入りの待ちが出る程だし簡単には入れない。今の時代はどうなのかは不明だが…とにかく当時の和食の世界は決まり事が多い印象があった。



とにかく、このバカ息子は使えなかった。

親の店で寿司を握っていたと言うが、23でこのレベルは正直、ヤバいと思った。


地元では、かなり中堅店くらいの規模の店らしく社員寮もあり手広く経営してるらしかったが親が偉大だと、だいたい息子はバカってのが相場昇天


息子の代で潰れると思った。だから親も危機感を持ち外に出したのだろうが…


気が付くのが遅いと思った。


レベルが低すぎて相手にしなかったが、しきりに彼女がFカップだと自慢していたので中身のない男の何処に惚れたのだろう?と…そんなどーでも良い記憶しか残っていない真顔



結局、コイツは1ヶ月も持たず消えていったが、


あれから23年🤔


46歳になってるあいつは、地元で寿司🍣を握っているのだろうか??


まあ、どーでもいいが関係ないから無気力