1992年の18歳から1996年の22歳まで、俺は風俗にハマっていた。


おもにファッションヘルス デリヘルとかない時代。18歳で料理の修行に入ってから女っ気のない生活を送っていたオレは、風俗が一種のオアシスであった。


行く店はいつも決まっていた。名古屋駅の新幹線側の中村区寄りにある、『星の王子さま』って店だ。今から30年前だから、もうその店は存在しないが、月1仕事帰りに寄っていた。


そこの店舗にいる1人の嬢に入れ込んでいたワケだが、年齢は自分より2コ上で話しやすかった。


まあ、月1の風俗通いは、何回も行けるワケもなく......60分コースで1万2千だったかな。別で入場料が2千円だったが、何故か中日新聞を持って渡すと入場料がタダになった。


そのお気に入りの嬢は、下腹に帝王切開の傷口の跡があったから、シングルマザーだったと思う。本人には聞かなかったが多分そうだろうと感じていた。


この店では、このコしか指名していなかったので分からなかったが、この店はマジックミラーで女子を選ぶ店であった。


初めて訪れた時、マジックミラーシステムに度肝を抜かれた。正に商品。言わずもがなキレイなコ、巨乳なコから指名されて行くのだが、その様が正に下剋上。

ブサイクなコは売れない悲しい現実。


オレは店に行く前から、ホットヘブンと言う電話帳みたいな厚さの風俗誌で下調べを入念にし最初っから指名で入っていた。指名料が取られるが、待つ時間がムダと言うか、相手もフリーだと嫌がるだろうと思い、指名で入る。

なぜなら、フリーで一度別の店で入って嫌な経験をして学んだと言うか、嫌な思いをする位なら指名で予約した方が相手も気持ちが良いだろうから、この考えは、今も昔も変わってない。


だいたい、男は全部ではないがお気に入りのお嬢ができたら、その人にばっか行くと思う。やはり精神、気持ちが絡まないと勃たないから顔馴染み、慣れた相手でないと上手く行かないというか、男の悲しい性で気持ちが入ってしまう。


オレもそのお気に入りのお嬢に仕事の話しや悩みなどいろいろ話しして更にヌイてもらい最高な気持ちだった。今思えば、ただ単に仕事の愚痴も訊いてくれて、優しく接してくれてヌイてもらい、それが仕事だとしても、大変ありがたい行為であって若さ故の勘違いも出てきてしまうという経験もさせてもらい俺にとって貴重な時間だった。向こうは、お金の為にプロとして仕事をこなして客の愚痴も訊いているのだが…。誰にも出来る仕事ではないから、風俗嬢にオレは偏見を持って居ない。お金の為に仕事としてやる以上、ビジネスだから。結局何が大切か?と言われれば気持ちの所在地が何処にあるのか?が重要であって肉体の接触は、あまり重要ではない。という事をこのハマっていた時期に学んだのだ。


やはり、悲しいかなそのお嬢にのめり込めばのめり込むほど気持ちが持っていかれた。チンコと精神は繋がっているから『好き』と言う気持ちがなければMAXまで行かないから終りのない地獄にハマる。



お金が入る以上、愛を求められないから、オレは風俗通いを22歳で辞めた。


だって、店を出た後の虚無感というか、寂しさは苦しいと知ったから。


手に入らないものをお金をだして愛を買う行為は、たまらなく寂しい行為だと知ったから。


だから、22歳からは料理に集中した。鳥羽ちゃんも不倫でエライ目にあったが彼はマジメなので復活すると思う。…


と話しがズレたが、ここからもう風俗には行っていない。これからも行かないと思う。


婚活をやり、好きな人が出来て付き合った事があったがキスやハグをデート帰りに毎回していた時は、やはり好きだからこその充実感があったし、愛もあった。やっぱりこれが正解なんだと思う。