紫式部邸宅跡から走る人

 

 

今年の大河ドラマは「光る君へ」、紫式部が主人公。

 

滋賀県大津市の石山寺も源氏物語誕生の地として有名ですね。そして、京都の宇治市は宇治十帖の舞台で『源氏物語ミュージアム』も人気です。

 

この日散策した京都市のスタート地点は、

そんな主人公の邸宅跡に建つ蘆山寺で、

今回の「京の冬の旅」の特別公開の一つです。

 

 

 

 

その蘆山寺(ろざんじ)は京都御苑の清和院御門近くにあります。

 

 

(蘆山寺)

 

私は大河ドラマの中で戦国時代を舞台にしたものが好きです。

 

でも、今年の大河は長編小説「源氏物語」を執筆した紫式部が主人公。

 

源氏物語や作者にも興味や知識が薄いので見ないつもりでしたが、何となく最初の1、2回見てしまうと、貴族の権力闘争などもあって、今では続きが楽しみになって来ています(笑)

 

ただ、登場人物の「藤原」姓の多さに頭がもやもやですが、難しく考えずにざっくり楽しんでます(笑)

 

(橘には沢山の色づいた実が)

 

そんな蘆山寺(ろざんじ)を訪れるのは2回目です。苔は空に浮かぶ雲を表してます。

真偽のほどは?ですが、庭の橘は仙洞御所(?)の橘の株分されたものではないかと・・・。(現在の本堂は仙洞御所の一部が移築されているそうです)

 

 

観光協会主催の「京の冬の旅」、今回が第58回目ということなので近畿以外の方もご存じの方が多いのではないでしょうか。JRの駅でこのパンフレットをよく見かけますよ。

 

今回も有名寺院や塔頭を含めて15か所程度が特別公開を行っているようで、今年のテーマは源氏物語や今年の干支ののようです。

 

(冬の旅は ~3月18日まで)

 

 

 

京都観光協会が主催する「京の冬の旅」の良いところは、

 

普段に拝観するのと違って、●お寺が所有する非公開の文化財が公開されるのと、京都の大学生やボランティアの方々が、寺の歴史や人物、芸術、秘仏など多岐に渡ったって●丁寧な説明を聞けるところです。

 

もう一つありました。寺社を巡って3つスタンプを集めると、●お茶を無料で頂戴できますよ(笑) 

 

 

今回ここに来た私のお目当ては紫式部じゃなくて、公開中の明智光秀が所有していた念持仏を見ることです。念持仏は比較的小さな仏像。

 

 

不動明王・地蔵菩薩・毘沙門天。その中央の地蔵菩薩は光秀が陣中まで持参したそうです。光秀の最後はああいう終わり方だったので、ゆかりの物がさほど残っていないようです。

 

そんな中、このように念持仏が残っていたのは、信長の比叡山焼き討ちの際、同じ天台系の蘆山寺もその対象になっていたのを、家臣の光秀の尽力もあって蘆山寺の焼失を防げたことに起因していると。

 

ここにあるというのは、天王山(山崎)の戦い前に手放していたんでしょうか!?     (そこちょっと不思議)

 

因みに、念持仏で豊臣秀吉の「三面大黒天」は京都圓徳院にあって人気です。

京都東山のそこは、秀吉を弔う為に北政所(ねね)が建立した有名な高台寺に登る階段を挟んで確かお向かい。みんな秀吉のような立身出世にあやかりたいです(笑)

 

 

 

繊細な絵柄の貝合わせ(複製)の貝や、源氏絵屏風などを目の肥やしにして、

 

 

紫式部の見送りを受けて蘆山寺を後にしました。

 

 

紫式部が源氏物語を起案したと言われる滋賀県の石山寺。そこには『54歩で読める源氏物語』の企画があり、一帖~五十四帖までのあらすじが簡単にパネルで紹介されています。

 

横に1歩ずれると二帖、また1歩ずれると三帖と・・・・・・

これなら全て読める!と思ったのは勘違い!何帖でやめたかも覚えてません(笑) 

 

 

宇治十帖の舞台となった宇治市も、「ひかる君へ」の影響もあって、源氏物語ミュージアムや平等院に足を運ぶ方も多いのでしょうね。

 

そのように興味の薄い紫式部でしたが、関連した場所や内容が繋がって来ると、少しは興味が湧いて来るというものです。

 

 

 

きょうは珍しく小雨降る中出掛けましたが、「春雨じゃ濡れて行こう」っと気取って歩くどころではありません。時折晴れ間が見えるものの、時間を追う毎に風が強くなり、寒い寒い!雪の結晶

 

蘆山寺の板張りの廊下、スリッパが無かったので足裏が凍り付きました。

 

 

感覚が鈍った足でお向かいの梨木神社へ。

 

 

(コ-ヒ-ベースnashinoki)

 

京都御苑に隣接し、萩で有名な梨木(なしのき)神社にお参りしてその先に進む積りが、敷地内にopenしていたコ-ヒショップに誘われ、その前に冷えた体を温めました。

 

縁側で足を浮かして腰掛けていると、凍り付いた足が徐々に雪解けおねがい

 

 

少しほっこりしたところで参拝し、寺町通りの清和院御門から京都御苑を抜けて、

公開中の相国寺の塔頭に向かいます。

 

 

 

京都御苑は東西の寺町通り・烏丸通り、南北の丸太町通り・今出川通りに四方を囲まれた公園です。人であふれかえる観光地と違って一見地味な感じがしますが見所が沢山。

 

代表的なのはやはり京都御所・大宮御所・仙洞御所はじめ迎賓館。

 

欧州式の赤坂の迎賓館より、京都の迎賓館の方が日本らしく落ち着いた雰囲で、海外の要人に好まれるような気がします。そして、こうして日本を表現できるようなもてなしができるようになったのは、とても素晴らしく誇れることだと思います。

 

(全て写真撮影okだったように思います)

 

色々な素晴らしい素材や職人の技に支えられ、豪華でいて落ち着きのあるしつらえです。庭園の池には、秀吉が掛けた五条橋を支えた当時の石柱なんかもありますよ。

 

 

左が仙洞御所、突き当りが京都御所。静かでいいでしょ!?

 

(上の写真の左奥で小っちゃく白く写るのが仙洞御所の受付テント)

 

ナスカの地上絵?

 

京都御苑内のメインの通りは砂利が敷かれていて自転車の通行に適しているとは言えません。(今日は雨なのでさすがに自転車を見かけませんね)

 

とは言え、何せ外周4kmにも及ぶので、反対側に行くには自転車でここを抜ける自転車のが1番。

 

なので、通行で砂利が無くなっていった1本道を皆が通るんです。但し、一方通行ではないので・・・、さてその時は?

 

 

御所や桂離宮などの宮内庁が管理するところは、かつてのような事前申し込みが必要なくなりました。今は先着順で見ることができて無料です。

(迎賓館は内閣府なので有料)

 

 

きょうはそんな施設がある京都御苑内を素通りしますが、この辺りを巡るのも値打ちがあると思います。けっこうオススメ(笑) 

 

 

(土御門第跡)

 

欲しいままの権力を得た平安時代の貴族、ここは藤原道長の邸宅があった場所。

 

「この世をば、わが世とぞと思う・・・」これを宴席で詠むとは嫌な奴ですね(笑)

ドラマで見る若かりし頃の道長のイメージとはかけ離れています。

 

土御門第は紫式部の邸宅跡とは目と鼻の先。大河ドラマの2人はお互いに恋心を抱いている設定ですが、この住まいの近さを目の当たりにすると、まんざら突拍子もない話じゃないように思えて来ます(笑)

 

私のような者でも平安ロマンを感じます(笑)

 

 

 

 

こちらの立て札を今まで見過ごしていましたが、

このような所に学習院発祥の地があったとは全く知りませんでした。

 

 

「学習院」は元々この地に開校したんですね!

その名は孝明天皇から直筆の『学習院』の額を賜り、この名前に定まったとあります。

 

そして東京遷都が。

京都の人々にとっては大ショックな出来事です。

 

こうして京都の学習院が廃止され、

東京に新たに設けられた施設に明治天皇から改めて『学習院』の額を賜り、それが現在の学校法人学習院の設立となったそう。

 

 

京都御苑内を散歩していて気に留める人は少ない思いますが、御所の北西角に「猿が辻」と呼ばれる場所があります。

 

 

ちょっとこの写真の構図が悪くって、全体が写ってないんですが、

 

京都御所のここ北西部分には角がなくて凹んでいます。北西が鬼門に当たるので、鬼が入らぬよう角を作らなかったそうです(笑)

 

この軒下に烏帽子をかぶった猿が居て、お祓いに使う白い紙を挟んだ串(御幣)を持って鬼門を守っています。中が暗くて肉眼では見づらいです猿

 

 

(烏帽子、手や足が見えます)

 

御所の北東に位置する幸神社(ここは訪れたことありません)の猿、そのまた北東の、比叡山の麓に建つ赤山(せきざん)神院の屋根の上にも猿が居て、それぞれ御所の鬼門方向を守ってます。

 

こういうものも関連して見て歩くと面白い。

暖かくなって京都に行ったら、ブラブラと幸神社の猿に会いに行ってみたいですね。

 

 

他、京都御苑内には自然の散策が出来る小径や、平清盛が祀ったのが始まりとする厳島神社、九條家ゆかりの拾翆亭、蛤御門の変で門に残る弾痕後などの見所が沢山。

 

 

京都御苑の北側の今出川御門から今出川通りに出て、同志社大学のキャンパスの間の道を抜けると、相国寺の門はすぐそこ。塔頭の光源院の十二支の襖絵などを観て今日の散策はお終いに。

 

 

 

数日前と合わせ3つのスタンプが集まったので、

烏丸通り沿いの俵屋吉富でお抹茶を戴きましました(笑) 

(菓子は雲竜(ちょっと甘いかな))

 

 

 

 

 

寒くて短い距離の散策でも、最後はやっぱりビールで締めましょうかね(笑)