香りを楽しみたくて

 

 

 

先月、出来上がった家タイプの蚊やり器に、蚊取線香じゃなくて息子が土産で持ち帰ったお香を入れて焚いてみました。異国の香りと言うのか・・・、

甘ったるくて、すぐに消してしまいました。

 

 

苦手なこの臭いに「邪魔をしない落ち着いた香りなら良いのに・・・」、深く考えることもなく漠然とそう思ったものです。

 

 

それから間も無く、そんな出来事はすっかり忘れてフォロ-している方のインスタグラムを見ると、「いいなこれベル」ってピンと感じる作品がアップされていました。

 

 

何が?って、何となく想像できる香りのイメージ。

自分では思いつきもしなかったお茶の香りです。

 

それと、お茶の葉を皿に置いて下から火を入れるので「香りを楽しんだ後、緑茶がほうじ茶に生まれ変って楽しめる」って、副産物としてちょっと面白そう。

それだけでなく、香炉に刻まれた〇3つのデザインが凄くすごくいいニコニコ

 

 

クオリティまでは無理だけど、デザインをそっくり(猿)真似したものを1つと、その他に2つの茶香炉を作りはじめました。

 

 

 

本体は火にかけるお皿の土と同じ耐熱粘土(赤)を電動轆轤で成形しています。

 

茶葉を乗せたお皿を置く為の本体側の受けは、5mmのタタラを小さく切ってから折り曲げて取り付ようとしましたが、最初、そっと折り曲げた外側がひび割れ、失敗からのスタートです。安易に進めるとかえって二度手間。

 

やり直し、今度はきれいな状態で取り付ける事が出来ました。

 

茶香炉はきっと決まった場所に置いて使うと思うので、厚くてどっしりした感じの本体に仕上げています。

 

 

 

茶葉を乗せるお皿はタタラの8mmでフリーハンドでカット。8mmの厚みってどうなのか、もう少し薄い方が良いのか、それとも更に・・・?? 

 

博識ではないので茶香炉そのものを知らなかったし、ましてや実物を触ったことも見たこともなかったので、その辺は手探りで作らざるを得ません。

 

お皿はテーブルに置いても安定するように足を付けておきますが、足って?いる?

 

 

 

 

 

いよいよ本体に通気を兼ねたデザインを施します。

本体の形以外、ここからがマネしんぼのデザインですてへぺろ (感心はできません)

 

成形した粘土にナイフを入れたり穴を開けるのはちょっと緊張!  し・ま・す。

 

 

ナイフで切って、竹串の先につけたなめし皮で切り口をきれいにします。

 

こんな細やに丁寧なことをしたことが無いので、時々時計をみると、「えっ?もうこんな時間!?」 なんか時間が近い未来にちょっとタイムスリップした感じ。

 

 

それでも雑さ・・・見える。

(茶葉、一芯三葉の模様)

 

一芯五葉より三葉、更に一芯ニ葉のように葉の数を少なくして摘むのは上等なお茶。

滋賀県の何処だったか、一葉で白茶を作っているというのを最近テレビで見ました。

 

私はお茶道楽でもなく、上等な舌の持ち合わせもないので、高価なお茶を口に含むと旨味が凄すぎて、お茶なのかダシなのか味覚での区別がつかない⤵ こんなではお茶農家さんに呆れられます。そう、京都北野天満宮の闘茶会での成績も散々だった(笑)

 

温かなお茶・・・、今までを思い返すとその闘茶会を除けば、一杯のお茶を意識して味わったことがないかもしれないガーン

 

そんな私でも、茶葉の香りには期待を寄せても良いはず。

 

(〇はお茶の実の模様)

 

 

一番気に入った〇3つの模様は、気づいた方が多いと思いますが、茶畑の地図記号。これを採用されたのはこの方の遊び心とセンスの良さなのでしょう。

 

確かに小学校の社会の授業で習いました(笑) 果樹園や桑畑などの記号と一緒に。

 

最近では皇居で雅子様が蚕に桑の葉を与える映像をテレビのニュースで見ることがありますが、世界遺産の富岡製糸場などで生産していた生糸の産業が激減した今も、桑畑の記号、学校で習ってるかな?

 

 

背の低いローソクを置く器。

  

 

 

茶葉を乗せるお皿、ちょっと大きすぎかな? 

旅館で出て来そうな陶板みたいで、肉と野菜も焼けそうだ(笑)

 

いやいや、そうじゃなくてお茶の良い香りが漂ってくれそうです。

 

 

 

耐熱粘土が余っているので、粘土が硬くならない内に同様のものをあと2つ作ってみましたが、先のデザイン以上に気に入ったものには成りませんでした(笑)

 

 

8mmをやめて、後のお皿は5mmの厚さにしてサイズも小さくしました。

手探り、何が正解なんでしょ!? 使ってみれば分かるんですけどねウインク

 

丸い器、道端に咲く花を

 

 

 

楕円に近い器、和モダンに

 

いずれも釉薬を掛けず仕上げる予定。

 

全体的な作品の出来映え以上に、部屋に落ち着いたお茶の香りが広がることに期待を寄せます(笑) 出来上がって実際に使ったら期待以上だった・・・、そんなブログの続きを書ければ嬉しいのですが。

 

あの日たまたま開いたインスタの写真と文章に出会い、「作りたい」と思えるきっかけを与えられたことに感謝(笑) 上手い下手でなく、目指すものがはっきりあって粘土に触る陶芸って凄く楽しいんですよね!