大人のテ-マバーク
ドボルザ-クの交響曲「新世界」♫に由来して付けられたという大阪の新世界と呼ばれる地域。実際に新世界という地名はありませんが、今でも独特の雰囲気がある街です。
JR天王寺駅、近鉄阿部野橋駅からも歩けるし、JR環状線や南海の新今宮駅から、地下鉄の動物園前駅からも近く、その地域のシンボルの通天閣はとてもアクセスの良い場所にあります。
現在、日本一高いビルの”あべのアルカス”
このビルの展望フロアからは天王寺動物園や通天閣を見下ろすことができます。ただ、サッと通天閣を見つけられないほど小さく見えるのは何とも寂しい限り。
天王寺駅界隈の開発が進む前、車や路面電車行き交うハルカスの西側には、いつも路地が水に濡れているようで薄暗い迷路のような一角がありました。
そこには中国語飛び交う中華屋やハイカラな洋食屋、路地角にはホルモンを食べさせる立ち飲み屋、大型の本屋やパチンコ屋などが入り乱れて密集し、一種独特の一角がありましたが、今ではきれいな商業ビルに生まれ変わってしまっています。
そんな薄暗くて古い古い雰囲気、今では駅周辺北側に少し残る程度でしょうか。
変われば変わるものだ・・・
先日、京都から大阪への帰り道。
昼時と夕時の間の中途半端な時間帯で朝から本降りなので、土曜日でも比較的空いてるだろうと踏んで、足を延ばして道草を決め込みました。寄り道の先は何故だか懐かしさ感じる新世界。たまぁ~に、ぶらりとしてみたくなる街。それでも数年ぶりかな。
その日は残念ながら期待に反して「じゃんじゃん横丁」が大賑わい。
この様子ではこの日だけの混雑じゃないのかも!? しばらく来てない内にまさか外国人も大挙して訪れているとは・・・、今更ながらSNSの影響力は凄いですね!?
コロナ渦真っ只中は、多くの飲食店だけに限らず様々な人が苦しみました。
2020年、東京オリンピックさえ翌年に延期され、私もオリンピックの陸上の決勝やバスケットのチケットが当たって楽しみにしてたのですが、結局翌年も無観客開催になってしまいました。
新世界のランドマ-ク通天閣と「づぼらや本店」の大きなフグ提灯、これがここの代表的な風景で不変だと思ってましたが、残念ながらづぼらやの閉店に伴い今はこのフグ提灯はありません。そんな半面、この近くに似合わぬ星野リゾ-トが開業・・・
(過去写真)
今ではこの通天閣には上から滑り降りるタワ-スライダ-(すべり台)が若い人に大人気。響き渡る悲鳴の数と共に通天閣の赤字が解消されているようです。
立ち寄ったこの日は、人、人、人の波・・・
西洋の人が占領している立ち飲み屋や、大行列する人気の串カツ屋さん。
この新世界の混雑ぶりを見ると、ついこの間のことなのにピリピリした世界が遠い昔のように思えてしまいます。コロナから解き放たれたこの様子、まさしくこの地名のように新しい世界の訪れのようです。
3貫で幾らの庶民派の味方、大衆寿司屋さん。
少しつまみたかったけれど、前を通るとここも待つ人大勢で通り過ぎます。
(過去写真:鯛と手前は縞鯵かな?)
こんな調子だと入れないかと心配したどて焼を目当てに寄った立ち飲み屋さん。あれ?先客が2人だけ? 以前入れない事も多かったので有難いけれど何か不思議。今日はたまたま?(どて焼=牛すじ肉を甘めの味噌と出汁でグツグツしたもの)
私も含めたお客さんは年齢古めでちょっとホッとします(笑) こういうタイプのお店はダラダラと長居せずにサクッと・・・
場所を変え(笑)
980円(くらい)のすき焼き、たまご2個付き(笑) 肉質がどうのこうの、具材がどうのこうのと良し悪しを語るなかれ。火を焚いてもらって一人前この安さ。十分じゃないでしょうか、おいしく頂きます(笑)
割り下の入った鍋とコンロが運ばれてくるので、一人で好き勝手に、誰かと一緒ならビールと雑談を楽しみます。
このご時世ですが、多分、以前に来た時から値上げしていないような気がします。
意外(失礼)だけど、
愛想も対応も良いお店なのでここは新世界で好きな場所。2人で座って1人が焼肉、あとの1人は鍋
なんてこともOKで、そんな時、テーブルにコンロが2台出てきます
好むのは大阪だけ?の紅ショウガの天ぷら。
私もご多分に漏れずに大人になってから時折食べたくなります。スーパ-の総菜売り場などで串に刺したこの赤い天ぷらを買うことがありますね。なんでしょう ? 普段、天ぷら以外の紅ショウガはどちらかと言うと好みじゃなくて一切食べないのに!?
他にも個性的なお店がたくさん・・・
魚料理、肉料理にイタリアン、綺麗で贅沢な食材を使ったお店も良いけれど、こんな所のこんなのも大好きです。
が入り、お腹もそこそこ満ちたら遊べる所に目が移ります。
射的、確かコルク玉が6~7発ついて500円だった(コロナ前なので今は?)かな?
歳を重ねた今も好き(笑)
ちょっとしたコツはあるけど、中々の腕前なんです(笑)
(上下、過去写真)
ねっ、500円で打率高いでしょ!?
ペコちゃん、今は食べないのでもらい手探さないと・・・
以前なかったと思う弓道場・・・。
ちょっとやりたかったけど、きょうは一人だし、店の前には結構な人だかり。
入り口をくぐるには少しアルコ-ルが足りないな・・・
1人で遊べるスマートボール。
(1回100円)
縁日で見かけるスマートボールのように縦横斜めに玉を並べるんじゃなくて、パチンコと同じように穴やポケットに入ると、書かれた数字と同じ数の玉が出てくる仕組み。
そして、テンションが上がるのは、入賞すると出て来る玉がガラスの盤面の上をガラガラガラ♪♪♪、けたたましい音と共に転がり落ちてくるんです(笑)
換金はできないけれど、持ち玉はお菓子などの景品に交換してもらえますよ。
射的のようにはうまく行きません。多分きのこの山に500円以上は投資したけれど、低料金でゆっくり遊べるし健全でしょ(笑)
学生時代は寄り付けないイメージがあった新世界。
良いか悪いかは別として、野宿者が居た天王寺公園の有料化や、道路に軒を連ねた青空カラオケ店の撤去、新世界を舞台にした朝ドラ放映を経て、徐々に盛り上がりを見せて来ました。学生時代からはとても想像がつかない現在です。
今もじゃんじゃん横丁近辺では酔っぱらって寝込む人もいるけど、今はすっかり観光の街に変りました。
子供達と動物園を訪れたり、ハルカスからの展望を楽しんだり、
また、昨今の近隣開発とは無縁で1.400年以上の歴史がある四天王寺さんや、住友家から市に遺贈された慶沢園(小川治兵衛設計の庭園)を訪れてみたり、大坂夏の陣の激戦地となった茶臼山の史跡巡りも面白いかと思います。
(四天王寺さん)
新世界を含めたこの天王寺界隈、大阪らしい魅力があるのは間違いありません(笑)
古くて新しく、新しくて古き時代が漂う大人のテ-マパークの新世界です。