なに!?

 

 

数週間の滞在後すでに帰国されたご夫婦と、先日は自宅での楽しい夕食を共にし親交が深まりました。時代祭、鞍馬の由岐(ゆき)神社の火祭りなど、京都の文化や、その後も魚中心のお店でプロの和食も楽しんでもらいました。

 

 

先方の希望もあって和食を召し上がりたいと。私達だって外国に行ってまで日本食を欲しないのと同じで、その国の料理を食したいと思うのは当然予測できることです。

 

 

お客さんを誘ってのお店選びは、雰囲気や席、料理内容や値段等々、それなりには気を遣いますが決めてしまえば後は楽ちん。ただ、私達をより知って欲しいとの願いもあって、初対面は先ず自宅に招いての食事を考えました。

 

・・・が、和食は和食でも普段の家庭料理も食べたいと・・・。普段?う~ん、その時点で少しハードルが上がります(笑)

 

 

お客さんがある時はいつも先にメモ

汚い字

 

メニュ-と盛る器を決め、抜け落ちがないように食材の買い物リストにしておきます。かと言って、何でも作れるわけでもないので、いつもメニュ-は似通りがちです(笑) ただ、今回ばかりは少し勝手が違いました。

 

 

すき焼きや、しゃぶしゃぶ、魚ちりのお鍋などをメインとして、他数品を思い浮かべますが、それはわが家のご馳走で定番料理じゃないし・・・、ガスコンロと分厚い鉄板を用意してお好み焼きも考えたけれど油の飛び散りもあるし、さて・・・

 

 

そんな事を考えていると、はたと「わが家の和食定番料理って何だ?」って(笑) 「日頃、和食なに食べてる?」

 

色々と品を変えて出してもらったり、私が作ったりもしていますが、毎日でなくても、週に1~2度は必ず出てくる定番の和食って・・・あれっ?浮かばない。

 

 

余談ですが、女性向けに「"肉じゃが上手"で男の胃袋を掴め」って、一時メディアなどからもっともらしく流れてきていました。

 

私の知る限りでは、若い男性は言われるほど肉じゃがを欲してなかったように思います(笑) 特に私が若い頃は牛肉や玉ねぎ、それにジャガイモやニンジンまでそれぞれフライパンで炒めてくれる方が断然嬉しかった(笑) 比べると今もそうかも・・・

 

好みは一概には言えません。

ただ、若い男よりも私のような年齢を重ねた者にこそ、肉ジャガは高確率で胃袋と心に染みるのだと思います(笑) (また脱線)

 

里芋の煮っころがし

 

普段の夕食を考えてみると、和食だけが食卓に並ぶことが少ないですね。特に子供達と暮らしていた頃には、やれハンバ-グだの、とんかつだのと、油を使った料理がほぼ中心で、偏りがないようにと和の煮物などは気休め程度の小鉢が添えられて。

 

きんぴら

 

上の写真の2品に加えて、焼き目をしっかりつけた"鳥の照り焼き"を作ろうとグリルに火を入れた直後に取りやめにしました。その代わりに、刻んだネギと卵5つで巻いた出汁を加えない普通の卵焼きに(関西は砂糖なし)メニュ-変更。

 

予定を変更したのは、料理各々で分量は違えど、照り焼きも調味料がほぼ先の2品と同じなんですね。続けて作ろうとしていたので初めて気が付きました。甘味ある醤油味の料理が3品並ぶのはちょっとなぁと。

 

 

先の2品に使った出汁、酒、みりん、砂糖、醤油に、今回使っていない味噌と塩が揃えば、日本の家庭料理ってそれなりに出来てしまうのかな!? 

 

 

 

 

そして、ほんの一口、二口だけ日本自慢の炊き立ての新米をお茶碗によそって、ご飯のお共としてワサビ漬け・奈良漬・もろみ味噌・明太子・京壬生菜・いかの塩辛を。料理じゃないけど私の推しは断然これこれ(笑) でも、ちょっと冒険汗

 

興味津々、思いのほかいける様子だったので、保険に用意をしていたバケットや、チーズと生ハムなどは冷蔵庫から出動することはありませんでした。ホッ。

 

食事が始まる時にプレゼントした夫婦箸をさっそく使っていただきました。それがあまりに器用に使われるので尋ねてみたら、来日2週間前から少しずつ練習されたのだと。なんか微笑ましく、日本に愛着を持ってくれているようで嬉しい(笑) 

 

さすがに、ぬるっとした里芋はホ-ク、ナイフで小さく切ってから食べてられましたね。箸がへたな私も本当はそうしたかったけれど・・・

 

 

和食ではない、無難なサラダや緑や紫のアスパラガス、ローストビーフやフライパンで作るジャガイモの煎餅なども食卓に並べます。

 

味気ないプラスチックのボール

 

約2.3kgの赤身肉

 

 

肉はオーブンに入れずにフライパンで。それは、タイマ-と温度を設定して安定した調理家電に任せるよりも、作る過程と出来栄えを楽しむ自己満足。趣味の料理、同じ作るなら楽しまなくては(笑) 

 

肉を焼いたフライパンで赤ワインを煮詰めた醤油ベースのソ-スと共に、辛みの強い和がらしを練り、他にワサビも擦って、食べ方の違いで日本を感じてもらいます。そんなこんなで、どの料理もほぼ余すことなく召し上がってもらえました。

 

その日は6人での食事でしたが、少し残念だったのが全員のサラダを盛り付けられる大きな器や、一度にたくさんの肉がダイナミックに盛れる40cmの平皿(未だに作ったことがない)が京都の家に無かったことです。料理もそうだけど器も大切。

 

 

30cmのお皿、ちょっと小さい。

 

 

いつも必ず5人でテーブルを囲んでいた私達も今は2人と1匹の暮らし。身内の子供達は別として、2人程度のお客さんを想定した数の器しか作っていないので、今回は恥ずかしくてもガタツキのある皿や、形や発色の悪い器も総動員せざるを得ません。

 

ただ、そういう器のことも食卓の話題や笑いの一つにもなって、不出来な器さえ今回のもてなしの一助になりました(笑)

 

 

ミズダコの燻製とお国のサラミ。タコはどうなのかと尋ねたら問題なくて、フグにはかなりの恐怖心をお持ちのようでした(笑)

 

 

お米のお菓子、亀田の「柿の種」や料理をつつきながら、爽やかで軽い京都丹波のワイン赤ワインと、お土産に戴いた香り豊かで重い本場モルドバのワイン赤ワインで夜が更けていきます。やっぱりお酒の最高のあては会話と笑い音譜ですね。

 

 

今回も食材の買い出しや、朝早くから直前まで食事を作りました。料理は趣味のようなものなので作るのは毎回楽しいのですが、年々このような機会に年齢を感じるようになりました(笑) さすがに若い時のように疲れ知らずとはいきません。

 

 

ご主人が撮られた写真

 

前の日記で少し触れた、グリ-ンアスパラしか似合わないと思うお皿。その通りアスパラガス2種とアンチョビとニンニクを混ぜたソ-スを小さな器に入れ添えて出したのですが、奥様がお皿を気に入られた様子でご主人が写真を。

 

もし使いさし(きょう初めて使用)でもよければプレゼントしたかったのですが、何せ軽い反りがあるのでさすがにそれは言えない(笑) そっちに頭が行ってしまっいて、もし何を乗せるかイメージが浮かべていたのなら聞けたのにと後悔です。

 

わが家の定番和食は見つかりませんし、「これを是非に」と、お出しもできなかった。ただ、気持ちを込めた「お・も・て・な・し」は感じて頂けたようなので、私の疲れも吹っ飛びました。素人料理も、拙い出来の器も、人を笑顔にする力があるようで良かった(笑)

 

宴も終わり・・・

 

 

台所の水切りなどに収まりきれなかった器たち。

活躍の後はシャワ-を浴びて、テ-ブルの上で一晩お休みですぐぅぐぅ(笑)