目指せ蓬莱山

 

最近ようやく耳慣れてきた息子から呼ばれる"おじいちゃん”

 

「おじいちゃんも蓬莱山登る?」の突然のお誘いに二つ返事を返したものの、登れるかな?って不安が頭の中を過ります。蓬莱山って結構しんどいという話も聞くけど?って尋ねると、琵琶湖側からじゃなければ大丈夫だと。ただ、詳しく聞くとそちら側からは未だ登ったことがないから分からないのだと・・・。まっ、何とかなるか!?

 

当日、京都駅から湖西線で「堅田駅」へ。

車掌さん、車内で車窓を眺めていた孫にシ-ルをプレゼントしてくれました(笑)

降り立った駅でも照れくさそうに蚊の鳴くような声で「ありがとう・・・」

親や爺さんもお礼とお見送り。

 

さて、琵琶湖沿いを走る湖西線の駅から、琵琶湖側でない登山口までは乗り合いタクシ-を予約してくれていました。平日の運行を取り止めた路線バスの代替交通として、大津市の支援を受けて乗合タクシ-が運行されているのだそう。今回の乗客は私、息子、孫の3人。花折峠(鯖街道)を通って「平」という場所まで30分近く乗ったでしょうか?料金は1人500円×大人2名=計1.000円で運んでいただきました。

登り口は車を降りた所から、来た道を数百メートル戻ることになりますが、そこはタクシ-ではなく、あくまでも路線バスの代替輸送ゆえんでしょうか。

 

孫も二歳半を過ぎて体重が15kg近くあるそう。息子もこのサイズを背負うのはそろそろ限界でしょうね。振り向いて孫が励ましてくれるも、私は私で身一つで精一杯(💦)

 

サルの群れを見かけたりしながらあれこれ約90分。権現山頂上。ここまで来たら一安心!?息子の言う通り、確かにここまでとんでもなく辛い道じゃなかった。乗合タクシ-で遠くまで運んでもらった値打ちがあったというものです(笑)

比良山系の権現山、決して標高のある山じゃないけれど、高木が無いこの風景が冬場の厳しさを物語っています。

権現山から尾根伝いを上り下りし、最後、少し登ればホッケ山。

そこからの下り、両脇の背丈の揃った植物が吹き上げる風に揺らいできれい。

 

鹿に注目。

鹿も私達に注目。

 

時折、甲高い声を発します。私達警戒されているのでしょうね。

蓬莱山の手前、誰も居ない小女郎ケ池に立ち寄りお弁当。今日はこんな景色も独り占め(笑)。と言うか、ここまで出会った人も1人だけ・・・

 

時折、ガスがかかり幻想的。

自分でむすんだおにぎりを食べて、風に吹かれ、目に優しい緑。あ~、贅沢(笑)

 

一方のお孫さんはと言えば、到着直前に寝てしまいました。ポツンと寝ている孫にとっても、かなり贅沢な時間じゃないですかぁ(笑)

休憩後、蓬莱山に着くと懐かしい光景。

ここから見えるリフトや琵琶湖の景色を見るのは、私の子供たちが小さい頃ここに連れてきて以来です。冬のゲレンデから見た空気の澄んだ琵琶湖の美しさに息をのんだことを今でも覚えています。この辺り一帯、有名な琵琶湖テラスも出来て、子供連れやカップルの憩いの場となり多くの人で賑わっています。山頂までの静けさとは対照的ですね。

 

スキ-に連れてきた子供に連れられて、またその子の子供まで一緒に山登りでここを訪れるとは思いもよりませんでした。これまでの人生を振り返ってみるとアッという間に子育てが終わり、今はその子達から気遣いを受ける側に立っています。不思議な気持ちや抗いたい気持ちも湧きますが、「良かった」という気持ちも湧いて来るのです(笑)

何事も順繰り。いつの日か、孫に連れられる息子が何かを想う日が来るのでしょうね。

 

ゴンドラを横目に、そんなことを少し思った打出山から歩いて下ります。

そりゃそうと大きなゴンドラになりましたね!?

 

登りも下りも、

孫が歩くと前に進まず日が暮れてしまいそう。大人はイライラ(笑)

下りの途中から足が疲れ、蒸し暑くなりました・・・。あ~しんど。

駅のホ-ムから、ほどよい疲れで山を見上げれば、ゴンドラの鉄塔が小さく見えます。今はあそこに戻りたくない・・・、時は流れるままで。約12Kmの行程、色々な意味で私には十分すぎるハイキングでした(笑)