【人生、大したことはないんだからさ】


妻が亡くなる2週間前。

入院中の妻からもらったLINEだ。


妻の帰宅後の在宅ケアに関して、色んな人との打ち合わせがあり、妻に


「慣れないことだから、ちょっとだけ緊張する」


とLINEを送ったら、


「リラックス!人生、大したことはないんだからさ」


と返事が。


突然、腹水が一気に出ちゃったり、医者からは1ヶ月もつか分からないと言われたり、思いもよらないことばかりが起き続けていた時だったってのに、本当に強いというか、達観していたというか。


亡くなったあと、日記を読んでみたら(本人からは生前時に、別に見ていいよと言われていた)、亡くなる少し前くらいのものには、恐怖とか後悔の言葉は無く、感謝ばかりが綴られていた。


病気が治る治らないに意識は向いていなくて、1日1日を大切に生きようとしていた。


色々な気付きがあったことも書いてあり、長い旅だったとも書いてあった。

勘違いしていたことについては、人生は一人コントみたいだなぁと笑っていた。



自分の人生を受け入れた、素晴らしい生き様だと思う。妻を心から尊敬する。



妻を亡くしたことについて、何の根拠もなく勝手にネガティブな考えを持ったり、自己否定をしたりしてしまうことがある。


そんな時に


「人生、大したことはない」


という妻の言葉を思い浮かべる。


ああ、深く考えすぎてる。勝手に重くなってる。不当な意味づけはやめよう。


と思い直し、妻に感謝する。


今も妻に助けられているなぁと思うと、何だか嬉しくなる。


あんまり心配かけたくないけど。


すまんね。これからもよろしく。