苦手なタクシーにのった。
後部座席へ。
「お!なんか格言的なことが書いてある!」こんなことは初めて。
「品格ある人になる12のルール」
訳・わたし
ほっぺは柔らかく
微笑みを多く
行動は素早く
同胞との会話を大切に
手足は機敏に
良い心をもつ
穏やかに
学のある会話を
おおらかに
かんしゃくは起さず
ミスは少なく
気持ちよく過ごす
「明日はますます良い日になる」
「ほ〜!向上心ある運転手さんやな〜!」
特にからむこともなく目的地に到着。
降りようとするとドアが開かない。
「アレ?!引くの?!押すの?!」
なかなかドアを開けて降りない私に、しびれをきらした運転手がどなる。
「!”#$%&’())))(’&%$!!」
何を言われているのかサッパリわからない。
どなられると余計に焦る。
「開かない!引くの?!押すの?!」
「こう見えてスライドドア?!」ひいてもおしてもスライドしても開かない。
忍者屋敷のからくり仕掛けなのか。
いろいろ試しても開かない。
運転手はどなり続ける「!”#$%&’())))(’&%$!!」
焦るキモチを抑え、おちついてドアをじ〜っと観察。
「普通に見えるけどもしかして特殊ドア?!」
すると、同乗していた息子がサラッと開けた。
運転手に怒鳴られながらわかった。
「品格ある人になる12のルール」あれは乗車客へむけたメッセージだ。
こんどから運転席にも貼ってよね!
そして後部座席には「ドアの開け方」を貼ってよね!
タクシーのドア開閉が自動の国ってほぼ日本だけらしいよ。
“不思議の国のニッポン”を代表するひとつがタクシーの自動ドア。海外ではまずお目にかかることのできない、日本独特のものといっていいだろう。そのため年間3000万人を超えた訪日外国人客が自分でドアの開け閉めをしようとして、しばしばトラブルになることも多いと聞く”