◆アデノイドとは
鼻の奥の突き当たり、喉ちんこの裏側、にあるリンパ組織の一つ。
3歳頃までは、免疫物質の一種を作り出す働きをしている。
口からは見えないところにあって、鼻で呼吸をした場合の空気の通り道に、ある。
リンパ組織には身体の外から入ったばい菌をやっつける役目がある。
カゼなどをひいてしまうとのどが赤くはれたり、首にグリグリができたりするのもリンパ組織がばい菌と戦っている証拠。
アデノイドの発育は、3-7歳で最も大きくなり、その後しだいにちぢんでいき、思春期にはほどんどなくなる。
そのためアデノイドの大きさが問題となるのは、幼児期~学童初期までとなる。
◆症状は
アデノイドは子どもは基本的に大きいものだけど、その肥大の度合いが強かったり、頻繁に炎症を起こすような場合は、中耳炎や鼻炎の慢性化、副鼻腔炎、またいびきや睡眠時無呼吸症候群、などの症状が強く出る。
難聴になる危険性も少しはある。
ひどい場合は、長期間睡眠が浅い状態が続くため、発育障害を引き起こすこともある。
また、鼻からの呼吸が困難なため、口呼吸が多くなり、それによる弊害もある。(虫歯、口臭、喉のリンパ組織の損傷(損傷することによって、風邪を引きやすくなる))
また、口呼吸が胸郭異常、夜尿症、舞踏病、てんかん、吃音症などの誘引にもなることがある。
◆治療について
治療のタイミングについては、3歳まではアデノイドで免疫物質を作る働きをしているのでそれ以前に取ると免疫力が下がる可能性もある。
また仮に取ったとしても、再増殖の可能性があるのも3歳くらいまで。
以上のことを踏まえると、4歳以降でアデノイド肥大による症状が強かったり、7歳以降でも縮んでいく傾向がなく、肥大による症状が改善されない場合は、切除と言う選択肢が考えられる。