こんなに愛と癒しとパワーを与えてくれる美術展は初めて。TAEちゃんの初の個展「Nature spirits」。会場は小さな可愛い喫茶店。小さいけれど、TAEちゃんらしい女性らしさと優しさに満ちていた。お友達からのお花もあってほっこり。






面白い「仕掛け」が用意されていた。色神essence御守り(キーホルダー)。私は「あ!これ可愛い!」と勝手に手に取ってしまい、TAEちゃんに叱られた。目をつぶって、左手でキーホルダー、右手で隣に置いてあるメッセージカードをインスピレーションで選ぶ。私は片面が水色、片面がピンク地に黄色の星が着いたもので、メッセージカードは「受容」だった。 
 高野山の金剛峯寺より高い所にある霊験あらたかな立里荒神社で元日にお祈りして来たものらしい。キーホルダーは完売。私は早速車のキーに付けた。



『色神essence御守り』





話が脱線したけど、作品はアクリル絵の具で描かれたもの、貼り絵、インテリア雑貨のようなものなど、多様だった。インスタグラムで見ていたより素敵なものばかり。絵のことはわからないけど、「TAEちゃん、こんなに素敵なものが作れるんだなあ」と素直に感動。タイトル作品「Nature spirits」は貼り絵で清流と川面のきらめきが見事に再現されていて清水が手ですくえそうだった。


『Nature spirits 』





「Someday landscape」は群青色に富士の高嶺と夕陽と満月が描かれている。実際に見た光景にインスパイアされただけあってスケールが大きい。



『Someday landscape』





そして弥勒菩薩を描いた「369(ミロク)」は濃い茶色と金が使われていて非常にダイナミックでまるで弥勒菩薩が降臨したような迫力がありながらも菩薩の慈愛を感じさせる。



『369』






「Crystal beach」も暑い夏の海よりも優しい春霞のような浜辺が貼り絵で表現されている。細かく手でちぎられた色紙で作られた浜辺、端の方に緑もあった。TAEちゃんの絵はみな優しい。温もりを感じる作品ばかりだ。癒される。



『Crystal beach』





もう一つ大きな作品で「La Birds」がある。フランス語と英語を合わせたこのタイトルは洒落ている。ラララ〜と小鳥たち(birds)が歌っているイメージで「Lovers」とかけている。小鳥たちが舞い、真ん中にすくっと立った男性性の周りを巡る女性性を表したこの作品は、パートナーシップも含めてTAEちゃんが身をもって学んできたことが一枚の絵になっているところが素晴らしかった。




『La birds』





 小さな作品たちもおなじように優しく温かい。貼り絵に使われる色紙はTAEちゃんのお手製で、これもインスピレーションで作る。原紙を見たら一色ではなく、複数の色が乗せられ、水でぼやかしてあったり、筆の跡が残されていたり。みんな違う。
作品はインスピレーションで作られる。閃きは一瞬だけれど絵を描く間は息をすることを忘れるほど集中するそう。 



『色神 season』





TAEちゃんは、こうやって作られた作品をみな「瞑想アート」として楽しんでいる。耳慣れない言葉だけれど「瞑想アート」はクリエイティビティを目覚めさせるものらしい。TAEちゃんは日頃から「人生はアート」と言っているだけあって、一朝一夕にはできない厚みみたいなものを感じた。もはやTAEちゃんは普段から瞑想状態なのでは?と思うことがある。



『風 Window』




私はTAEちゃんのファッションがすごく好きだ。流行に関係なくTAEちゃんしかその雰囲気は出せないんじゃないかと思う。かといって、すごく派手だったり、奇抜だったりはしない。TAEちゃんのセンスは普段から磨かれているんだろうなと思う。



『風 Tree』





「みんな違ってみんないい」と言うTAEちゃんのモットーはファッションにも作品にも貫かれていた。とことん自分と向き合おうとするTAEちゃんを映し出していた。私はそこに感激した。とてもTAEちゃんらしい素敵な個展だった。



TAE’s個展【Nature  spirits】@はるのうた喫茶店




(文 坂井あや)