11月に兄ががんで亡くなった。
63歳。
突然というより、2月に発覚し夏に抗がん剤治療を終えて秋に再発し
兄はこれ以上の治療を望まず、在宅で家族と穏やかに過ごすことを選んだ。
それからわずか1ヶ月だった。
何故、兄なのだろう?
あの元気だった兄が、、
この疑問がずっとある。
母親は86歳で生きているのに
亡くなる2週間程前に面会に行った。その時
兄は、ポックリでなくて良かった。
残された時間があって、奥さんや子供たちと話ができたことが良かったと言っていた。
告知された時は、高熱でとてもしんどかった
そんな時にこんなひどい事を言うんだと思っていたし、何故自分が、、という思いもあった。そしてその頃の記憶がないと言っていた。
でも今となってはそれで良かった。
それがなかったらここまで来れなかったと。
在宅療養に切り替えたとき在宅医や訪問看護がすぐに入ってくれ、兄や家族をサポートしてくださった。
奥さんが介護に慣れていないので無理な在宅療養はしない。
身の回りのことができなくなったら緩和ケア病棟に入ると言っていた。
とてもスムーズだった。
兄は最初の混乱から抗がん剤治療をしながら病気を受容していった。
家族にどんな姿を見せていたかは分からないけど
兄はとても立派だった。
自分の弱さを認め他者を頼り、周りに感謝して亡くなっていった。
父親も惜しまれて亡くなっていったけど
兄も父に負けないくらい立派で、亡くなったことが惜しまれてならない。
せめてあと10年。
今まで一生懸命働いてきたのだから、老後の生活を送らせてあげたかった。
孫も一人いて七五三の姿も見たかっただろう。