ポロン、ポロン・・・。
酒場で、ピアノを弾くブラームス。
人の気配を感じ、
振り返った。
そこには・・・
いろいろな方向に向きかう、黒髪。
音楽家と思えぬ、
たくましい肉体と、ワイルドな風貌がそこにあった。
ブラームスは、
なつかしさで飛び上がった!
「レメーニさん!!」

※エドワルト・レメーニ
ユダヤとハンガリーのハーフで、革命家、バイオリニスト。

「いよっ!元気だったかい?さて、こんなのんびりしてられないんや。
俺とお前は、旅にでる。演奏旅行だ!そして、金持ちになるんや!
有名になるんや!早く準備しろ!ボケっ!」
「レメーニさん!どうゆうこと?急に言われても・・・」
強引なレメーニにつれられ、
二人は、演奏旅行にでかける。
ハンブルクをでて、ツェレという大きな町の古劇場に行ったふたり。
音あわせをしようとしたところ、
ブラームスは、鍵盤を押さえ、
「大変だっ!!半音低い!なんてことだ!」
「あんだってー??」
開演まで時間がない二人。
ブラームスは、レメーニのバイオリンの音に合わせ、
古いピアノをみごとに弾いたとさ。

※この話は、有名らしく、いろんな事典にのってます。
半音低いってことが、素人のわたしには、よくわからないのですが・・・

「ブラームス!きみは、天才だよ!
俺たち、もっと金持ちになろう!有名になろう!

急げ!
ヨアヒムさんに会いに行くんだ!そして、リストとシューマンを紹介してもらうんだ!!」

「僕は、ちょっと休みたいんだけど・・・。それに、僕は、別に有名になりたいなんて思ってない。
お金だって、生活できるだけあればいいんだ。
なぜ、ピアノを弾くかって。それは、自分を表現できるたったひとつの手段だからだよ」

「それじゃだめなんだよー!お前さんは、普通の人間とは違うんだ!」
無理やり、ヨーゼフ・ヨアヒムのところにつれていかれるが、
この出会いは、のちのブラームスにとって、
とても大きいものとなる・・・
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※このものがたりは、歴史上の事実に基づいたノンフィクションですが、エンターテインメントとして、多少変えてるところも多々あります。よって。フィクションです。

セリフにかんしては、わたしが考えたオリジナルです。
笑いをとるために、多少オーバーに表現しています(笑)