「きみの力になりたい。


なにが必要なんだ?」


あたしの瞳に映ったあなたが、言った。


「いいえ。なにも。なにも、言わないでください」


あたしは、かぶりを振って、手をとり、


「こうして触れているだけで、わたしは、幸せなのですから」


あなたがまっすぐ見る。


だけど、瞳の奥には、あたしが想像できないくらいの


苦しみを抱え込んでいて、


あたしにはどうすることもできず、


その苦しみを、あなた以上に、あたしはわかっているから。


あなたの瞳の奥の、


あたししか見えない世界を・・・