今回は2017年2月13日に公開されたBTSのSpring Day 봄날 のMVや歌詞に込められた意味について、個人的な物ではありますが解説していきたいと思います。



Spring DayはBTSのrepackage albumである
You Never Walk Aloneに収録されています。
Spring Dayだけでなく、素敵な楽曲が沢山収録されているので、まだ持ってない方は買うべきです!


解説前予備知識

まず、このSpring Dayの解説前に知っておくべき事故があります。

セウォル号沈没事故

2014年4月16日大韓民国の大型旅客船全羅南道珍島郡観梅島沖海上で転覆・沈没した事故である。

セウォルには修学旅行中の京畿道安山市檀園高等学校2年生生徒325人と引率の教員14人のほか、一般客108人、乗務員29人の計476人が乗船しており、乗員・乗客の死者299人、行方不明者5人、捜索作業員の死者8人を出した。

韓国では2013年まで10代の死因第1位は自殺だったが、この事故により多数の高校生が死亡したため2014年の10代の死因第1位は運輸事故となった。


この事件についての更なる詳細、そして何としても知っておいて欲しい事は、この事故は絶対に避けられたという事です。

沢山の過ち、大人達の汚さがこのような残酷な事故を招きました。





そしてBTSはこの事件後、1億ウォン(約1000万円)をセウォル号沈没事故の家族協議会に寄付しています。

https://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2062126




解説

このSpring Dayはセウォル号沈没事故を追悼している曲だと言われています。


このMVはVさんが韓国の일영駅に1人でいる映像からスタートします。

この駅は廃駅になっています。(=人からもう忘れ去られた場所)

●セウォル号沈没事故も記憶の風化によりいつか忘れ去られる。


そしてMVに何回か登場するOmelasと書かれた看板。

これは短編集の『風の十二方位』に収録されている『オメラスから歩み去る人々』という物語が由来してると言われています。

この物語を一言で要約すると、「誰かの幸せは、誰かの不幸によって成り立っている」ということです。

●セウォル号で助かった者も居れば、そうではなかった子もいる。

https://ameblo.jp/ashitanokaze-dd/entry-10153685824.html








浜辺にあった靴をジミンが拾い上げるシーンです。

●セウォル号で亡くなった人の靴なのか






そしてこの印象深い服の山

これは多くの人の死、そしてその残酷さについて表されています。

https://www.echigo-tsumari.jp/art/artwork/no_mans_land/







そしてこの一枚目と二枚目の写真。

一枚目、背景のメリーゴーランドには明かりが灯っており、黄色いリボンが沢山ついていて、人も沢山行き交っています。

黄色いリボンはセウォル号沈没事故の象徴とされています。



http://www.pbcruise.jp/report/94th/onboard/post_9.html

ですが二枚目の写真には、黄色いリボンも無くジョングクただ1人だけがいます。

これも、セウォル号沈没事故直後は沢山の人に追悼され悲しまれたが、記憶の風化により段々忘れ去られていく事を表しているのではないでしょうか。




最後にこのシーン

電車の中にいるジョングクとメンバーと走ってきたジョングクが遭遇する瞬間。これはどちらかがタイムトラベルしてる事になります。

これに関してはLove YourselfのHighlight Reelとも関係していると思われます。



Spring Dayの歌詞で特徴的なのは何度も繰り返す보고싶다 (ポゴシプタ) 意味:会いたいという部分ですよね。

セウォル号沈没事故のドキュメンタリーや特集を見ればわかりますが、海岸沿いでセウォル号沈没事故の被害者高校生である家族が何度も会いたいと叫んでいました。


一見、これは別れた恋人に対しての歌詞のようにも聞こえますが、恋人だけではなく家族や友人にでも当てはまる歌詞です。

この船には沢山の高校生が乗っていました。

毎日当たり前のように明日があり、当たり前のように家族がいて、学校に行けば当たり前のように友達がいます。

でもそれは決して当たり前じゃないんです。

私たちはそれを当たり前のように勝手に思って過ごせているだけです。セウォル号沈没事故によってこの当たり前のような日々が奪われた人達は沢山いました。

私達は毎日こうやって家族や仲間と過ごせている日常を、大切にしていかないといけない。

Spring Dayはそんなことを教えてくれている気がします。