「恋しくて…」



*21*




翌朝、ミニョが目覚めると、既にテギョンの姿はなかった。
昨晩、テギョンはミニョのアパートに泊まっていたのだ。

「ホテルには帰らない、お前のせいだからな。」

テギョンの大きな手に頬を潰されヒヨコ口のままキスをされたミニョ。
リップ音と共に離れたテギョンの顔は、意地悪そうにニヤリと口角をあげていた。
ワタワタと慌てはじめるミニョをよそにテギョンは、 ミニョを抱き上げ、ベッドルームに連れていく。

「あ、あ、え、え、お、お、オットケ…」

ミニョをベッドに下ろすと、ミニョは、胸の前に腕を交差させ、目をぎゅっと閉じ、身体を硬直させていた。
テギョンは、困ったように小さなため息をつくと、ミニョの額を指で軽く弾いた。

「余計な心配はするな…お前がいなくなって、ずっと寝不足なんだ。今日は、俺の抱き枕として大人しく寝るんだな」

テギョンはミニョの横に寝ると、ミニョの身体を抱き締めると、目を閉じた。

"ち、ち、近いです…"

未だに硬直しているミニョをよそに、テギョンはミニョの温もりを感じながら眠りに就いてしまった。
テギョンの穏やかな寝息に、やっとミニョの緊張が解れてきた。すぐ横を向けば、彫刻のような美しいテギョンの寝顔が見える。

星はそばで見ると、キラキラ輝いて眩しくて目が痛いけど…

「大好きな星を、ずっと、そばで見ていても、いいですか…?」

そっと囁くように呟いたミニョの瞳から、涙が流れ星のように頬を伝って落ちていく。
頬に暖かなぬくもりを感じ、ミニョが目を開くと、眠っていたはずのテギョンが、ミニョの濡れた頬を大きな手で包んでいた。

「ああ、許可してやる。
今までのように、ずっと俺を見てろ。
お前のためだけに、離れていてもわかるように、これからも輝いてやるから、
ずっと、俺だけを見てるんだ。」

「……はい……ありがとうございます」

また優しく抱き締めるテギョンの温もりを感じながら、ミニョは幸せそうな笑みを浮かべながら、眠りに就いたのだった。

ベッドの上で昨夜のことを思い出しながら、ミニョの頬が紅潮しながらも、綻んでいたが、ふと、時間を見ると、いつもより時間が過ぎていることに気が付き、慌てて、ベッドから下り、仕度へと取りかかった。

テギョンたちの帰国は明後日に迫り、今日が撮影最終日になる。

「おはようございます。よろしくお願いします。」

ミニョはオフィスに立ち寄り、撮影機材を現場へと運んでいく。

「なんか、スッキリとした顔してるな」

ソンミンに声を掛けられる。

「そうですか?」

「お前って、すぐに顔に出るタイプだよな。
で、アイツらと、一緒に帰るのか?」

ミニョは、困ったように口をすぼめる。

「そんな顔するなよ、良かったじゃないか。やっと帰れるんだ、もっと喜べよ。」

ポンポンと肩を叩くソンミンにミニョは首を振った。

「一緒には、帰りませんよ。まだ、ソンミンさんの元で働きますよ。」

「え!?」

「え!?ダ、ダメなんですか?」

驚くソンミンに、ミニョはオロオロしてしまう。

「ダメではないが、いいのか?一緒に帰らなくて…。」

困ったように頭を掻いているソンミン。

「はい、大丈夫です。ちゃんと話しましたから。もう少しだけ、お世話になります。」

ミニョはニッコリ笑ってから、ペコリと頭を下げると、また撮影準備に戻っていった。

そして、A.N.JELLたちが、現場に入ってくる。

「おはようございます、皆さん。
よろしくお願いします。」

ニューヨークでの最後の撮影がはじまった。






★★★★★★


予定より1時間遅れました、申し訳ないです。

そして、駄文。描き方を忘れてる。語彙力なさすぎ、 申し訳ないです。

なんとなく伝わればいいので、生暖かい目で読んでください。お願いします。