イケメン版

「オペラ座の怪人」

*9*




テギョンの前で、ミニョは、素肌を晒け出し、自分でも聞いたことのない甘い啼き声をあげていた。
その声や露わになっていく肌が恥ずかしいのに、テギョンの大きな手や熱い唇が、肌に触れるたびに、その声を止めることも出来ず、テギョンにしがみつくように身を委ね、痛みを感じながらも、テギョンが与え続ける行為に溺れていた。
絶頂を迎え、ミニョは、目の前はチカチカと眩い光に溢れ、頭の中が真っ白になり、暫くの間、意識を飛ばしていた。
甘い吐息を吐きながら、ゆっくりと目を開けたミニョは、恍惚な表情を浮かべていた。

「・・・ミニョ・・・大丈夫か?」

ミニョは、ゆっくりと頷いた。確かに、違和感とヒリヒリとした痛みはあるもの、まだ我慢をすれば、堪えれるような痛みだった。

「本当に・・・

俺で、良かったのか・・・?」

心配そうにミニョの顔を覗き込みながら、テギョンは、ミニョの髪を撫でながら聞いた。
ミニョは、テギョンに抱きつくと、広い胸に顔を埋めた。

「・・・テギョンさんは、私が、初めて恋をした男性(ヒト)なんです。
そんな男性に愛されて、結ばれることが出来たなんて・・・
後悔なんか、してません。
嬉しいんです・・・すごく。
今、すごく・・・幸せなんです。」

「・・・良かった。
俺も・・・同じ気持ちだ。」

テギョンは、目を細めながら、ミニョの唇に軽く口づけをし、唇を離すが、すぐに、ミニョの唇が強請(ねだ)るテギョンを求め、また唇が重なり合う。何度も、啄むように口づけを交わしながら、隙間なく抱き合い、お互いの肌のぬくもりを感じ、甘く幸せな余韻に浸っていた。

ガタン!!

突然、部屋の奥で、大きな物音がした。
ミニョは驚いたように、ビクッと肩を震わせ、テギョンは、警戒心からベッドから起き上がった。

「・・・テギョンさん」

「大丈夫だ。様子を見てくるから、お前は、此処で待っていろ。」

不安そうな顔をするミニョの額に口づけると、テギョンは、ベッドの下に落ちた服を拾い上げ、服を着ると、部屋を出ていく。

テギョンが部屋を出たあと、ミニョも、ベッドから起き上がり、ネグリジェを着た。

いつまで経っても、テギョンは戻ってこない。ミニョは心配になり、ドアをそっと開けると、突然、人が入り込んできた。

「ミニョ!!無事で、良かった!!」

驚きで目を丸くするミニョは、突然、強く抱き締められた。

「・・・シヌお兄様」

ミニョを抱き締めた相手、それは、ミニョを探していたシヌだった。





★★★★