イケメン版
「オペラ座の怪人」
*2*
レッスンを終えたミニョは、写真立てに入った一枚の写真を眺めていた。
『ねぇ、お父様。どうして、そんなにステキな音楽を作ることが出来るの?』
『それは、きっと、“音楽の天使”のお陰じゃないかな?』
『音楽の天使?』
『そう“音楽の天使”は、音楽が大好きで、音を奏でていると、音楽を聴きに地上へと舞い降りて、一緒に、美しい歌声を響かせながら、最高の音楽を授けてくれるのさ。』
『ねぇ、お父様、私も、たくさんお歌のレッスンしたら、天使様に会えるのかしら・・・』
『そうだね。天使は、音楽が大好きなんだ。たくさんレッスンを積んで、歌が上手になれば、きっと、会えるはずだよ。』
ミニョの父親、コ・ジェヒョンは、作曲家であった。
母親は、ミニョが生まれてすぐに亡くなり、男手ひとつで、父親に育てられた。
父親が、家で作曲の仕事していたため、幼い頃から音楽に慣れ親しんでいたせいか、ミニョは、いつしか、歌手になる夢を持ちはじめていた。
そんな父親も、病に倒れ、そのまま他界。その後、ミニョは、父親の知人の家に預けられたあと、念願のオペラ座の養成所に入った。
そして、舞台に立つにまで成長していたが、貰える役は、その他大勢の端役ばかりで、ミニョは、実力不足で伸び悩みながらも、毎日、歌のレッスンを続けていた。
そんなある日・・・
楽屋裏から、突如、『音楽の天使』の声が聴こえた。
姿も顔を見せないことに、最初のうちは、恐怖を覚えたが、その声の指導どおりに歌うと、信じられないほどに声が伸びやかになり、音域の幅も広がり、表現が豊かになっていった。
天使との時間は、とても楽しく、有意義な時間を過ごしていた。
そして、ミニョは、目に見えぬ相手に、いつしか、淡い恋心を抱くようになっていたが、『音楽以外に心惹かれてはならぬ』と、天使との誓いを守り、ただ、ひっそりと、天使に気付かれないように隠していた。
「お父様、私、天使様との約束を必ず守るわ。天使様とのレッスンを、一生懸命、頑張って、絶対に、プリマドンナになるから・・・」
翌日
舞台を終えたミニョが、楽屋に戻ってくると、楽屋前に、ある人物が待っていた。
「ミニョ、久しぶり。舞台、お疲れさま。」
ミニョの前に、花束を差し出される。
「ありがとうございます。シヌお兄様」
ミニョが、ニッコリと笑いながら、花束を受けとる。
彼の名前は、カン・シヌ子爵。
ジェヒョン死後、ミニョが預けられた家の息子だった。ミニョは、年上のシヌを『お兄様』と呼び、敬愛していた。
「良かったら、今から、一緒に、食事でも行かないかい?」
「・・・いいんですか?でも、シヌお兄様、お忙しいんでしょ?」
「忙しいも、何も・・・今日は、ミニョとデートするために来たんだから。」
「えっ!?デ、デートですか?」
驚いたように、目をパチクリとするミニョに、シヌは、苦笑いを浮かべた。
「アハハ、そんなに驚かないでくれよ。・・・とりあえず、まあ、いいや。お腹空いただろ?早く、行こう。」
ニコリと笑いながら、シヌは、ミニョの手を取ると、そのまま握り、引っ張るように歩きだした。
慣れない高級レストランでの食事に、ミニョは、少し緊張しながら、シヌと向かい合い、食事をしていた。
「ねぇ、ミニョ。小さい頃に、僕とした約束、覚えている?」
「約束・・・ですか?」
ミニョは、覚えていないのか、首を傾げている。
「ああ、『大きくなったら、結婚しよう』・・・と約束したんだよ。」
シヌの言葉に、目を大きく見開くミニョ。
“えっ!?ウソ!?確かに、小さい頃、よく、シヌお兄様に『ミニョ、僕たち、大きくなったら、結婚するんだよ』と言われて、ただ、頷いていたけど・・・子どものただの口約束で、まさか、本当に、シヌお兄様が覚えてるとは思わなかった・・・”
真剣に見つめるシヌの瞳に、ミニョは、困惑していた。
シヌは、テーブルの上で、ミニョの手に自分の手を重ねた。
「ミニョ、僕の気持ちは、あのときから変わらない。ミニョが、好きだ。
僕と、結婚しよう。」
手を重ね合わせ、見つめ合うふたりのそばで、黒い影が動いていたのを、ふたりは知る由もなかった。
★★★★
シヌヒョン登場で、いきなりのプロポーズ。今回のシヌヒョン、押しが違いますぜぇ(* ̄ー ̄)
「オペラ座の怪人」
*2*
レッスンを終えたミニョは、写真立てに入った一枚の写真を眺めていた。
『ねぇ、お父様。どうして、そんなにステキな音楽を作ることが出来るの?』
『それは、きっと、“音楽の天使”のお陰じゃないかな?』
『音楽の天使?』
『そう“音楽の天使”は、音楽が大好きで、音を奏でていると、音楽を聴きに地上へと舞い降りて、一緒に、美しい歌声を響かせながら、最高の音楽を授けてくれるのさ。』
『ねぇ、お父様、私も、たくさんお歌のレッスンしたら、天使様に会えるのかしら・・・』
『そうだね。天使は、音楽が大好きなんだ。たくさんレッスンを積んで、歌が上手になれば、きっと、会えるはずだよ。』
ミニョの父親、コ・ジェヒョンは、作曲家であった。
母親は、ミニョが生まれてすぐに亡くなり、男手ひとつで、父親に育てられた。
父親が、家で作曲の仕事していたため、幼い頃から音楽に慣れ親しんでいたせいか、ミニョは、いつしか、歌手になる夢を持ちはじめていた。
そんな父親も、病に倒れ、そのまま他界。その後、ミニョは、父親の知人の家に預けられたあと、念願のオペラ座の養成所に入った。
そして、舞台に立つにまで成長していたが、貰える役は、その他大勢の端役ばかりで、ミニョは、実力不足で伸び悩みながらも、毎日、歌のレッスンを続けていた。
そんなある日・・・
楽屋裏から、突如、『音楽の天使』の声が聴こえた。
姿も顔を見せないことに、最初のうちは、恐怖を覚えたが、その声の指導どおりに歌うと、信じられないほどに声が伸びやかになり、音域の幅も広がり、表現が豊かになっていった。
天使との時間は、とても楽しく、有意義な時間を過ごしていた。
そして、ミニョは、目に見えぬ相手に、いつしか、淡い恋心を抱くようになっていたが、『音楽以外に心惹かれてはならぬ』と、天使との誓いを守り、ただ、ひっそりと、天使に気付かれないように隠していた。
「お父様、私、天使様との約束を必ず守るわ。天使様とのレッスンを、一生懸命、頑張って、絶対に、プリマドンナになるから・・・」
翌日
舞台を終えたミニョが、楽屋に戻ってくると、楽屋前に、ある人物が待っていた。
「ミニョ、久しぶり。舞台、お疲れさま。」
ミニョの前に、花束を差し出される。
「ありがとうございます。シヌお兄様」
ミニョが、ニッコリと笑いながら、花束を受けとる。
彼の名前は、カン・シヌ子爵。
ジェヒョン死後、ミニョが預けられた家の息子だった。ミニョは、年上のシヌを『お兄様』と呼び、敬愛していた。
「良かったら、今から、一緒に、食事でも行かないかい?」
「・・・いいんですか?でも、シヌお兄様、お忙しいんでしょ?」
「忙しいも、何も・・・今日は、ミニョとデートするために来たんだから。」
「えっ!?デ、デートですか?」
驚いたように、目をパチクリとするミニョに、シヌは、苦笑いを浮かべた。
「アハハ、そんなに驚かないでくれよ。・・・とりあえず、まあ、いいや。お腹空いただろ?早く、行こう。」
ニコリと笑いながら、シヌは、ミニョの手を取ると、そのまま握り、引っ張るように歩きだした。
慣れない高級レストランでの食事に、ミニョは、少し緊張しながら、シヌと向かい合い、食事をしていた。
「ねぇ、ミニョ。小さい頃に、僕とした約束、覚えている?」
「約束・・・ですか?」
ミニョは、覚えていないのか、首を傾げている。
「ああ、『大きくなったら、結婚しよう』・・・と約束したんだよ。」
シヌの言葉に、目を大きく見開くミニョ。
“えっ!?ウソ!?確かに、小さい頃、よく、シヌお兄様に『ミニョ、僕たち、大きくなったら、結婚するんだよ』と言われて、ただ、頷いていたけど・・・子どものただの口約束で、まさか、本当に、シヌお兄様が覚えてるとは思わなかった・・・”
真剣に見つめるシヌの瞳に、ミニョは、困惑していた。
シヌは、テーブルの上で、ミニョの手に自分の手を重ねた。
「ミニョ、僕の気持ちは、あのときから変わらない。ミニョが、好きだ。
僕と、結婚しよう。」
手を重ね合わせ、見つめ合うふたりのそばで、黒い影が動いていたのを、ふたりは知る由もなかった。
★★★★
シヌヒョン登場で、いきなりのプロポーズ。今回のシヌヒョン、押しが違いますぜぇ(* ̄ー ̄)