番外編
『fate』if…

*7*

T side





「テギョンさん・・・

私・・・・・

死ぬ・・かもしれないです・・・」

ミニョが、やっと口にした言葉は、残酷なものだった。

全身の力が抜け落ちていく。
ミニョの頬を包んでいた手の力も抜け、全身がガタガタと震えていくのを感じる。

ミニョが・・・死ぬかもしれない?

やっと、ミニョを見つけることが出来たのに、また、失うかもしれないのか・・・・・

よく考えれば、思い当たるとこはあった。

最初に触れたときに感じた、手の冷たさや、華奢になった指・・・
抱いたときに感じた痩せ細った小さな身体・・・

どうして、すぐに、気付けなかったのだろうか・・・

これも、7年という時間(とき)の流れの重みなのだろうか・・・

それでも、気付けなかった自分に苛立ちを感じた。

「ごめんなさい・・・・・

テギョンさん、ごめんなさい・・・・

ごめんなさい・・・」

また、顔を俯かせたミニョは、謝りながら、泣いていた。
きっと、俺に告げてしまったことを、後悔しているのだ。

「ミニョ・・・」

「ごめんなさい・・・

テギョンさん・・・

私は・・・
大丈夫ですから・・・

さっき、私が言ったことは、忘れて・・・」

ミニョが、全て口にする前に、ミニョの唇を塞いで、言葉を封じていた。

また、逃げようとするミニョに、カッとしたように苛立ちを感じ、ひんやりと冷たいミニョの唇に、自分のを押し付け、ミニョの身体を強く抱き締めた。

また、そうやって、俺から離れようとするのか?

大丈夫じゃないんだろ・・・?
どうして、そうやって意地を張るんだ?
俺に、さっき、助けてくれって、言ったじゃないか・・・

忘れてください・・・って

本当にバカか、お前は・・・

そんなの、忘れるわけないだろ・・・


「ミニョ・・・

お願いだから、俺から、逃げるな・・・

俺のそばにいるんだ・・・

この世に、俺と・・・子どもを残して、勝手に死のうとするな・・・

まだ、病気を治せるんだろ?

諦めるなよ・・・

生きようと、してくれ・・・。

俺には、お前が必要なんだ・・・」


不覚にも、ミニョの肩に埋めて、俺は泣きながら、ミニョに懇願していた。

生きてほしい・・・

そばにいてほしい・・・

そう心から願うのは、ミニョ、お前だけなんだ。




★★★★