番外編
『fate』if…
*5*
T side
抱え込んだ小さな頭からは、懐かしいミニョの香りがして、胸が締め付けられた。その頭に頬擦りしながら、小さく震えるミニョの背中を撫でる。
『愛しい』と、心の底から思えるのは
やっぱり、コイツしかいない・・・
そんな思いを込めながら、ミニョの身体を、強く抱き締めていた。
「お願い・・・助けて・・・」
啜り泣くミニョから聞こえる小さな声。
おずおずと、縋るように、ミニョの手が背中に廻される。
「ミニョ・・・?
どうした?何があったんだ?」
「私・・・・・」
ミニョは、それ以上、言えないのか、首を横に振ると、また一段と、嗚咽が大きくなった。
「ミニョ・・・」
ミニョの濡れた頬を手で覆うと、顔を上げさせた。
ミニョの泣き濡れた瞳からは、止めどなく零れ落ちる涙が、俺の手を濡らした。
「ミニョ・・・
俺は、お前のすべてを受け入れる覚悟は出来てる。
子どものことも、そうだ・・・。
俺に、迷惑をかけるとか、重荷になるとか、そんなこと考えるな。
俺は、お前のそばにいたい。
お前を、もう二度と、失いたくない。
ミニョ・・・
お願いだから、俺に、隠してることがあるのなら、すべてを打ち明けるんだ・・・。
いいな・・・」
例え、この先、何が起きようとも、お前を、絶対に離さない・・・。
★★★★