「今宵、月明かりの下で…」25
「至福」
テギョンは、ミニョを腕に抱いたまま眠りに就き、そのままの格好で、翌朝、目覚めた。
ミニョのぬくもりや、吸い付くような白く柔らかな肌の感触、甘い香りが心地よく、愛する者を腕に抱いたテギョンは、至福を感じ、満ち足りた表情を浮かべていた。
目の前には、背を向けて眠っているミニョの真っ白な背中が見えている。
テギョンは、悪戯心に、ニヤリと笑みを浮かべると、首筋に口づけをし、背骨に沿って、唇を這わしていく。
起こさないように、慎重にしていたつもりだったが、ミニョは擽ったさに、身体を捩らせている。
「んん・・・擽ったいです・・・」
ミニョの寝起きの掠れた甘い声に、テギョンは抑えきれず、ミニョの身体に覆い被さると、剥き出しの白い膨らみを手で押し潰した。
「テギョン様・・・?」
寝ぼけ眼で自分を見つめるミニョには、まだ、あどけなさが残るのに、一糸纏わないその身体は、成熟した艶かしい女の香りを纏っている。
“情欲に掻き立てられて、気が狂いそうだ・・・”
テギョンは、堪らず、ミニョの唇を塞いだ。
ミニョも目を閉じ、テギョンの唇を受け入れる。
テギョンの手がミニョの身体を弄(まさぐ)るように動く。
「テギョン様・・・もう・・・朝です」
「・・・関係ない」
朝の眩しい光が、部屋に射し込むなかで、テギョンは、貪欲に、ミニョの身体を求めた。
昼過ぎに、漸く、テギョンは、寝床から起き上がり、衣に着替えた。
ぐったりと寝ていたミニョも身体を起こすと、身体に、チマを巻きつけた。
「身体が辛いなら、無理して起きなくていい」
「でも・・・」
「俺は、客じゃないんだ。見送りはしなくていい・・・俺は、お前の『恋人』だから、な」
テギョンは微笑みながら、ミニョの唇に口づけをする。
「・・・テギョン様」
顔を歪ませ泣きそうになっているミニョの頬を撫でながら、見つめているテギョンは、苦笑いを浮かべた。
“これ以上、ミニョを見つめていると、離れたくなくなる。”
テギョンは、ミニョの頭の天辺に口づけをした。
「ゆっくり休め。」
そう言い残し、離れたくない思いを振り切ると、テギョンは、部屋を出ていった。
★★★★