『今宵、月明かりの下で』(仮)
*予告編*
夜、妓楼にいたテギョンの端正な顔には、疲労の色が色濃く見えていた。
夜更けまで、調べものをしていたテギョンは、空が白々しく明け始めた朝焼けの中、家路へと歩いていた。
まだ、人通りもない、妓楼の前を通り掛かると、たまたま、妓楼から出てきたシヌを見つける。
『シヌか、またアイツは、呑気に、妓生遊びをしていたのか・・・』
テギョンが、溜め息を吐いていると、シヌの後をついていく妓生の姿を捉えた。
シヌが、妓生を抱き締める。
その妓生に、テギョンの目が見開く。
『・・・ミニョ?』
ミニョの耳元で囁くシヌと、クスクスと笑うミニョが手を振り、シヌを見送る仲睦まじい姿を見てしまったテギョンの目には、その光景が焼きつき、帰ってから、一睡もすることが出来なかったのだ。
当人のミニョは、その事など露知らず、ただ、黙って、いつものように、テギョンに寄り添い、酒の相手をする。
空になった盃に、ミニョが、酒を注ごうとする、その手をテギョンに掴まれる。
「月花(ウォルファ)・・・今宵は、私だけを相手をしてくれぬか?」
「テギョン様・・・」
「金が欲しいのなら、やる。お前が欲しいものがあるのなら、全て、お前に与えてやる。お前が、他の男を相手している姿を見たくない・・・ミニョ、今宵だけでいい・・・私のそばにいてくれないか?」
テギョンは、ミニョの身体を引き寄せ、抱き締めた。
「・・・テギョン様、どうされたのですか?」
「ミニョ・・・」
テギョンは、ミニョの顎を掴み、紅く色付いたミニョの唇を塞ぐと、ミニョの身体を押し倒し、その上に、覆い被さった。
酒の味が残るテギョンの舌がミニョの舌に絡み、テギョンの手が、ミニョの身体の上を弄(まさぐ)るように動き、チョゴリ(上着)の胸元の紐を解くと、ミニョの露わになった白い肌に唇を這わせながら、独占欲の象徴である、鮮やかな紅い痕を刻みつけた。
★☆★☆
というわけで、
以上、新作の予告編でした。
まだ、設定は考えている最中なんですが・・・
タイトルも、まだ、仮題なんです。
新しい分野に挑戦なんで、とりあえず、一度、『お試し』として、公開してみます。
ちなみに、『月花(ウォルファ)』は、妓名です。