イケメン版

「ラプンツェル」*6*


まるで、石像のように、身体を硬直させ、顔を真っ赤にしながら、王子を見つめているミニョ。
ミニョの視線に気づいた王子は、心配そうに、ミニョの顔を覗き込みます。

「・・・おい、どうした?顔が赤いぞ。熱でもあるのか?」

王子の大きな手が、ミニョの額に触れます。

「うーん、熱はないみたいだな」

口を尖らしながら、首を傾げる王子。

「!?・・・えっ・・・あっ・・・ど、ど、どうしよう・・・ ご、ごめんなさい・・・だ、だ、だ、大丈夫です・・・」

大丈夫ですと言いながら、ミニョは、パニック状態になり、顔を、更に真っ赤にさせ、目をキョロキョロと動かし、王子から逃げようとしているのか、身体を捩らせています。

「おい、大丈夫か?落ち着けよ・・・」

すっかりと落ち着きをなくしたミニョに、王子も困ったように、口を尖らせます。何か、いい方法はないかと、尖らした口を左右に動かし悩んでいた王子は、

チュッ・・・

と、ミニョの額に、優しく触れる口づけをしてみると、途端に、ピタリとミニョの動きが止まります。

にんまりと、口元に弧を描き、気を良くした王子は、

チュッ・・・チュッ・・・

ミニョの頬や鼻先にも口づけをしてきます。
ミニョは、目を丸くしたまま、口をポカーンと開け、間の抜けた顔をして、呆然としていることをいいことに、

チュッ・・・チュッ・・・

王子は、ミニョの唇を啄むように、優しく口づけをしていきます。

「・・・イヤか?」

一旦、口づけを止め、鼻先同士が触れるくらいの間近な距離で、ミニョを見つめる王子。
ミニョは、ゆっくりと、首を横に振ります。

チュッ・・・チュッ・・・

にんまりと嬉しそうに笑い、また、ミニョの唇に触れながら、一晩中、王子は、ミニョの身体を抱き締め、離すことないまま・・・朝を迎えます。

横で気持ち良さそうに眠るミニョの寝顔の頬を撫でながら、いとおしそうに見つめる王子ですが、朝日は昇りはじめ、ファランが帰ってくる時間が迫っていました。

 「・・・ミニョ、起きるんだ・・・朝になるぞ」

王子は、ミニョの身体を揺り動かし起こすと、ミニョは、眠たい目を擦りながら、目を覚まします。
自分の顔を見つめる王子に、ミニョは、嬉しそうに笑い、うっとりとした表情で、目を逸らすことなく、王子を見つめます。
朝の挨拶がわりに、ミニョの唇に口づけをする王子に、ミニョは、頬を紅く染めます。

「・・・おはよう・・・ございます」

朝のひとときを楽しむ余裕もなく、別れの時間を迎えます。

「あの・・・また、夜になったら、会いに来てくれますか?」

「あぁ、もちろん」

寂しそうに、涙を滲ませるミニョに、優しく口づけをして、王子は、塔から、城へと帰っていきます。

              ★★★


ふたりは、ファランに隠れ、夜毎、逢瀬を重ねていく間に、関係は、より深く、濃密になっていくのでした。



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