イケメン版
「ラプンツェル」 *1*
長年、子供が出来なかった夫婦に、やっと、待望の子供を授かるとことが出来ました。
しかし、妻のスジンは、妊娠してからというもの、元から身体が弱かったせいか、だいぶ衰弱しており、母子ともに危険な状態にありました。
夫のジェヒョンは、スジンと生まれてくる子供のために、『何か、良い方法はないか』と、医学書や書物を読み、やっと、黄金に輝く『ラプンツェル』という野菜が、妊婦の身体に良いことを知ります。
しかし、『ラプンツェル』という野菜は、特殊な栽培方法で作っている野菜で、なかなか手に入らないことを知ります。
途方にくれるジェヒョンの元に、一報の朗報が入ります。
森の奥深くに住んでいるという、魔女のファランが栽培していることを聞き、ジェヒョンは、馬を走らせます。
魔女のファランが住む家の前にある畑には、黄金に輝く『ラプンツェル』がありました。
ドアをノックしても、ファランからの返事はなく、ジェヒョンは、畑に忍び込み、『ラプンツェル』を盗もうとしますが、運悪く、家に帰ってきた魔女に見つかってしまいます。
「すみません、すみません」
魔女に謝るジェヒョン。
「どうしても、この『ラプンツェル』が欲しいの?」
「はい、妻が妊娠しており、大変、危険な状態になっています。このままだと、妻も、生まれてくる子供も・・・失ってしまいます。どうか、お願いです。少しだけでいいんです!『ラプンツェル』という野菜を恵んでいただけませんか?」
「そう、それなら、分けてあげてもいいわ。ただし、条件があるの」
「条件ですか?」
「生まれてくる子供を、私に寄越しなさい。それが条件よ。」
「そ、そんな・・・」
「奥さんと生まれてくる愛しい子供を救いたいんでしょ?早くしなければ、命の炎は、消えてしまうのよ。」
「わ、わかりました。」
ジェヒョンは、渋々、頷き、籠いっぱいに、『ラプンツェル』を持ち帰ります。
すぐに、『ラプンツェル』の効能は現れ、スジンは、元気になりました。
そして、月日は流れ、子供が生まれます。
美しい黄金の髪の色をした女の子、
名前は、「ミニョ」と名付けました。
ミニョは、スクスク育ち、しかし、1歳の誕生日を迎えたある日の夜、闇夜に紛れ、魔女が姿を現します。
足音を消し、夫婦の寝室に忍び込みます。
魔女は、スヤスヤ眠るミニョを抱き上げ、また、そのまま、闇夜に消えていきました。
そして、また、月日が流れ、魔女の住んでいる森の奥深くに、塔が出来ます。
その塔には、ドアもなく、一番上に窓があるだけでした。
魔女が、塔に帰ってきます。
魔女が、塔を見上げ叫ぶと、
「ミニョ!」
すると、一番上の窓から、縄のような長いものが落ちてきます。
魔女は、縄に掴まり、身体に巻き上げると、また、上を見上げ、叫びます。
「いいわ。上げてちょうだい!」
スルスルと、魔女の身体は、塔の上に運びあげられました。
「おかえりなさい、お母様。今日は、聞かせていただけるのでしょ?外の話。」
「ミニョ、先に、髪を解いてちょうだい」
「ああ、ごめんなさい。お母様。」
スルリと、魔女の身体に巻き付いていたものを解く少女。
魔女の身体に巻き付いていたのは、縄ではなく、黄金に輝く長い髪でした。
「ミニョ、私は、疲れてるの。少し、寝かしてちょうだい」
「はい、お母様」
「洗濯、掃除、あと、私が起きたら、すぐご飯の用意してね」
「はい、お母様」
魔女は、階段を降りていきます。
ミニョは、小さくため息を吐き、窓から、外を見下ろします。
「一度でいいから、外の世界を、見てみたいわ・・・」
★★★★
グリム童話バージョンの『ラプンツェル』と夢の国のD会社が作っている『塔の上の~』をミックスしながら、お送りしています。
童話なのに、なぜか、アメ記事を含みますので・・・悪しからず♪