美男2
~Another Story~
「メッセージ」
*8*
お世話になったボランティアスタッフの人たちや、子供たちに、挨拶をし、空港に向かった。
これから、いくつかの空路を経由して、韓国に戻るから、帰国するまで、2日は掛かる。
最初の飛行機に乗り、経由地点の空港に着く。
次のフライトまで時間があり、やっと、通信環境が整っていたので、久々に、携帯の電源を入れてみた。
しばらくすると、メールの着信音が鳴り出す。
受信メールボックスを開くと、シヌヒョン、ジェルミからのメールが、いくつも届いていた。
シヌヒョンは、優しい言葉で、私の身体を気遣ってくれていたり、励ましてくれたりしていた。
ジェルミは、絵文字がいっぱいの楽しいメール。
「元気にしてるのか?」
「事故、起こしてないか?」
ヒョンニムらしい、素っ気ない一言だけのメール。
だけど、私は、ヒョンニムが、メールをくれるだけで、嬉しくて、メールを見ながら、泣いてしまった。
あっ、そうだ、電話しないと・・・
ちょうど、今の時間帯で、韓国は、夜のはずだ。
涙を拭くと、震える指で、携帯画面を操作し、ヒョンニムに、電話をかけてみる。
緊張で、ドキドキと、胸が高鳴る。
久々に、ヒョンニムの声が聴ける、
と、思ってた。
でも、私が、聞いたのは・・・
「お掛けになった電話番号は、現在、使われておりません。」
無機質な機械の声だった。
★★★★