美男2

「未来へ・・・」

*169*


コンサートが終わり、合宿所の屋上には、テギョンとミニョの姿があった。

「もう、いきなりで、ビックリしたんですから!!まだ、結婚してないのに・・・妻だなんて・・・しかも、あんな大勢の皆さんの前で、あんなことするなんて・・・・」

ミニョが、頬をパンパンに膨らまながら、テギョンを睨んでいた。

テギョンが、ミニョをステージに上げ、ファンの前で、『最愛の妻』だと、自慢気にお披露目をしたかと思うと、なんと、テギョンは、熱烈なキスまでお披露目をしていた。
満足したのは、テギョンだけで、ミニョは、嬉しいよりも、人生で、一番、恥ずかしい思いをしていたらしく、テギョンに猛抗議をするも、テギョンは、聞き入れるどころか、ニヤリと笑うと、ミニョの前に、一枚の紙を突き付けた。

「これが、なんだかわかるよな?オレは、ウソつきなんかじゃないぞ」

ミニョが、目を丸くしながら、紙を見つめている。

「オレのところは、書いた。あとは、お前のところだけだ・・・」

ミニョが、震える手で、紙を受け取る。

「明日、一緒に、出しに行くぞ。そのあと、修道院に行って、一番に、院長さまに、報告して、安心させないと、な」

「・・・・はい、ありがとうございます」

ミニョが、グスっと鼻を啜る。

「・・・・それと、式も挙げたいんだが・・・あそこの修道院で、出来るのか?」

「え?・・はい・・・あの、いいんですか?」

「お前の憧れだったんだろ?神の前で、愛を誓いあうのが・・・それに・・・コホン・・・お前のウェディングドレス姿を見たいし、な」

テギョンが、照れくさそうに、拳を口元に当て、咳払いをする。

「とにかく、明日から、オレたちは、夫婦になるんだ!!この先、何があっても、お前を手離す気はないからな、覚悟しろよ?」

「はい!!私も、ずーっと、ずーっとオッパのそばにいますから!」

ミニョが、ぎゅっと、テギョンに抱きつくと、テギョンも、ミニョを強く抱き締める。

空には、月と星が寄り添うように、輝いていた。



★★★★

次回、170話、最終話になります。