美男2
「アピール」
*156*
「えぇ・・・続きまして、おふたりのファーストキスは、いつですか?」
"・・・歓迎パーティー?いやいや、アレは、事故だ・・・思い出したくも、ない・・・次が、事務所のテラス・・・あまりにも腹が立って、あのときは、理性を失っていた。まだ、好きだという感情も理解してなかった・・・だから・・・恋人としてのファーストキスは・・・。"
「映画館の屋上で・・・」
ミニョが、思い出したのか、ポッと頬を紅く染め、頬に手を当てる。
「プロポーズしたのはいつ?言葉は?」
「ミニョの誕生日に・・・ストレートに『結婚してくれ』と」
「ミニョさん、プロポーズの返事は?」
「もちろん・・・『はい、ファン・テギョンssi・・・ずっと、あなたのそばにいさせてください。』とお返事させていただきました」
はにかみながら答えるミニョ。
「それでは、最後に、おふたりのラブラブアピールをしていただきたいと思いま~す!!キスでもハグでも、なんでもオッケーです!!皆さんに、見せつけちゃってください。」
マ室長が、ニヤリと笑いながら、ムチャぶりをする。
会場も、マ室長のムチャぶりにノって、ふたりを囃し立てるように、指笛や歓声をあげている。
「えっ!?えっ!?」
ミニョは、驚いた声をあげ、テギョンに、"無理です!!"と首と手を、ブンブン横に振っている。
テギョンは、口をムニュムニュ動かしながら、どうしようか…と考えながら、ミニョの前に立つ。
「オッパ、無理です!!恥ずかしいです!!」
ミニョが、涙目になりながら、小声で訴えている。
「おい、みんな、期待してるんだぞ。何もしないなんて、もったいないじゃないか?『誓いのキス』の予行練習だと思えばいいじゃないか?」
テギョンが、口角をあげながら、ミニョの耳元で囁く。ふたりは、すっかり、自分たちの世界だけに入っている。
「もう・・・それと、これは、違いますよ!!」
頬を膨らますミニョの唇に、テギョンの唇が、一瞬だけ触れる。
驚いて、目を丸くしているミニョに、ニヤリと笑うテギョンが、もう一度、ミニョの唇を塞ぐ。
長く、情熱的なキスに、会場からは、ため息が漏れはじめている。
「ねぇ、まだ?長くない?」
最初は、口をあんぐりと開けながら見ていたジェルミも、だんだん見ていられなくなったらしく、手で、目を覆いながら、隣にいたシヌに聞く。
「いや、まだ、みたいだ。もう、完全に、ふたりだけの世界に入ってしまっているようだな・・・」
敢えて、見ないよう、ふたりから視線を外しているシヌ。
ムチャぶりをした張本人、マ室長も、困ったように、オロオロしていると・・・。
「ねぇ、そこのおふたりさん。特に、エロテギョン!!もう、見てらんないんだけど!!続きは、どっかでしてくれない?いい加減、後が、つっかえてんだよ!!」
突如、現れたミナムが、マ室長の持っていたマイクを奪い、テギョンに、文句を言っている。
ミナムは、次のプログラムのため、舞台袖でスタンバイをしていたにも関わらず、なかなか終わらないことに腹を立て、ステージにあがっていた。
"チッ・・・"
さっきまで、ご機嫌だったテギョンが邪魔をされ、不機嫌そうに舌打ちをしながら、ミナムを睨んでいる。
ミニョは・・・というと、すっかり放心状態で、口を半開きにし、頬を火照らせ、テギョンの胸に凭れるようにして立っていて、ふたりのにらみ合いが、全く目に入っていなかった。
「ほら、邪魔なんだからさ~、早く、ミニョ連れて、退いてよ!!」
主役なのに、邪魔者扱いをされ、テギョンは、思いっきり、口を尖らせながら、強引に、ミニョの手を引き、ステージから離れていく。
「すみませんねぇ…お見苦しいものを見せてしまって・・・。続きましては、余興タイムとして、特別ステージをご用意しました。皆さん、楽しんでください!!」
大音量の音楽の中、ミナムが、ステージに立ち、軽快にダンスを踊りはじめ、会場のボルテージが、また上がりはじめてた。
★★★★
「アピール」
*156*
「えぇ・・・続きまして、おふたりのファーストキスは、いつですか?」
"・・・歓迎パーティー?いやいや、アレは、事故だ・・・思い出したくも、ない・・・次が、事務所のテラス・・・あまりにも腹が立って、あのときは、理性を失っていた。まだ、好きだという感情も理解してなかった・・・だから・・・恋人としてのファーストキスは・・・。"
「映画館の屋上で・・・」
ミニョが、思い出したのか、ポッと頬を紅く染め、頬に手を当てる。
「プロポーズしたのはいつ?言葉は?」
「ミニョの誕生日に・・・ストレートに『結婚してくれ』と」
「ミニョさん、プロポーズの返事は?」
「もちろん・・・『はい、ファン・テギョンssi・・・ずっと、あなたのそばにいさせてください。』とお返事させていただきました」
はにかみながら答えるミニョ。
「それでは、最後に、おふたりのラブラブアピールをしていただきたいと思いま~す!!キスでもハグでも、なんでもオッケーです!!皆さんに、見せつけちゃってください。」
マ室長が、ニヤリと笑いながら、ムチャぶりをする。
会場も、マ室長のムチャぶりにノって、ふたりを囃し立てるように、指笛や歓声をあげている。
「えっ!?えっ!?」
ミニョは、驚いた声をあげ、テギョンに、"無理です!!"と首と手を、ブンブン横に振っている。
テギョンは、口をムニュムニュ動かしながら、どうしようか…と考えながら、ミニョの前に立つ。
「オッパ、無理です!!恥ずかしいです!!」
ミニョが、涙目になりながら、小声で訴えている。
「おい、みんな、期待してるんだぞ。何もしないなんて、もったいないじゃないか?『誓いのキス』の予行練習だと思えばいいじゃないか?」
テギョンが、口角をあげながら、ミニョの耳元で囁く。ふたりは、すっかり、自分たちの世界だけに入っている。
「もう・・・それと、これは、違いますよ!!」
頬を膨らますミニョの唇に、テギョンの唇が、一瞬だけ触れる。
驚いて、目を丸くしているミニョに、ニヤリと笑うテギョンが、もう一度、ミニョの唇を塞ぐ。
長く、情熱的なキスに、会場からは、ため息が漏れはじめている。
「ねぇ、まだ?長くない?」
最初は、口をあんぐりと開けながら見ていたジェルミも、だんだん見ていられなくなったらしく、手で、目を覆いながら、隣にいたシヌに聞く。
「いや、まだ、みたいだ。もう、完全に、ふたりだけの世界に入ってしまっているようだな・・・」
敢えて、見ないよう、ふたりから視線を外しているシヌ。
ムチャぶりをした張本人、マ室長も、困ったように、オロオロしていると・・・。
「ねぇ、そこのおふたりさん。特に、エロテギョン!!もう、見てらんないんだけど!!続きは、どっかでしてくれない?いい加減、後が、つっかえてんだよ!!」
突如、現れたミナムが、マ室長の持っていたマイクを奪い、テギョンに、文句を言っている。
ミナムは、次のプログラムのため、舞台袖でスタンバイをしていたにも関わらず、なかなか終わらないことに腹を立て、ステージにあがっていた。
"チッ・・・"
さっきまで、ご機嫌だったテギョンが邪魔をされ、不機嫌そうに舌打ちをしながら、ミナムを睨んでいる。
ミニョは・・・というと、すっかり放心状態で、口を半開きにし、頬を火照らせ、テギョンの胸に凭れるようにして立っていて、ふたりのにらみ合いが、全く目に入っていなかった。
「ほら、邪魔なんだからさ~、早く、ミニョ連れて、退いてよ!!」
主役なのに、邪魔者扱いをされ、テギョンは、思いっきり、口を尖らせながら、強引に、ミニョの手を引き、ステージから離れていく。
「すみませんねぇ…お見苦しいものを見せてしまって・・・。続きましては、余興タイムとして、特別ステージをご用意しました。皆さん、楽しんでください!!」
大音量の音楽の中、ミナムが、ステージに立ち、軽快にダンスを踊りはじめ、会場のボルテージが、また上がりはじめてた。
★★★★