美男2

「似合いますか?」

*153*


「婚約式」は、ホテルの会場を貸し切り、マスコミ非公開で行われることになっていた。
参加者は、事務所内の関係者のみ。事務所外では、A.N.JELLと親交があるユ・ヘイだけだった。
ホテルの控室には、本日の主役であるミニョと、ワンコーディーの姿があった。
ファランから贈られたドレスに身を包み、ワンコーディーに、メイクを施されていた。

「さぁ、出来たわよ」

出来栄えに大満足しているワンコーディーが、ミニョを、姿見の前に連れていく。

「ホント、おとぎ話に出てくるお姫様みたい。このドレスも、ミニョにピッタリ似合っていて、さすが、ファランssiね」

シックな立体感のある花の刺繍が、ふんだんにあしらわれた、イエローベージュのベアドレスは、ミニョの可愛さを引き立てていた。
ドレスに合わせて、髪もアップにして、キラキラ輝くビージュのカチューシャとパールのネックレスをつけている。

ミニョも、お姫様みたいな自分の姿に、嬉しそうに、はにかんでいた。

ドアをノックする音が聞こえ、「私が行くわ」と、ワンコーディーが、その場から離れ、ドアに向かう。

そして、コツ、コツ、コツと、ミニョの方へと近付く足音が聞こえ、ミニョが振り向く。

「・・・オッパ!!」

ミニョが、テギョンに気付き、ニッコリと笑ってみせるが、テギョンは、その場に、立ち尽くしていた。
言葉もなく、目を見開き、ミニョの姿を上から下へと視線を何度も往復している。

「・・・オッパ?」

黙ったままのテギョンに、ミニョが、不安そうな声を出す。

"やっぱり・・・似合ってないのかな・・・?"

テギョンに「可愛くない、似合っていない」と言われたことを、未だに、引きずっているミニョは、シュンと肩を落とし、泣きそうになってしまい、口をすぼませた。

「あ・・・あ・・悪い・・・ミ、ミニョ・・・・キレイだ・・・・・」

泣きそうになるミニョに、やっと、気付いたテギョンが、慌てている。

「ほぇ?」

ミニョが、驚きで、面食らっている。

「ホントに、キレイだ・・・悪い、お前に、見惚れて、言葉を忘れてた・・・」

テギョンが、珍しく、照れ臭そうに、頬を、指で掻いている。

「えぇぇぇ!!!!ウソ・・ウソ・・・ウソ・・・」

「ったく・・・オレが、嘘を言うわけないだろ・・・・・オレが惚れたオンナだ。見惚れて、当たり前だろうが!!」

驚きで、何度も瞬きをしているミニョが、スッと、鼻に指を持っていく。
テギョンが、楽しそうに、ニヤリと笑いながら、顔を近づけると、鼻を押そうとするミニョの指を掴んだまま、ミニョの唇にキスをした。



★★★★

↓↓コチラが、ミニョのドレスのイメージ(画像は、お借りしてます)

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